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2021年6月11日

個人リース市場拡大 3月末保有、初の40万台超え

個人向け自動車リース市場が拡大している。日本自動車リース協会連合会(JALA、露口章会長)がまとめた3月末の個人リース保有台数(会員分)は43万7743台となり、3月末実績として初めて40万台を超えた。税金など複雑な維持費をまとめた月定額への需要が若者を中心に高まった格好だ。

自動車メーカーもこうしたニーズを取り込もうとサブスクリプション(定額利用)サービスを相次いで投入しており、個人リース市場での競争が激しくなってきた。

個人リース市場は、右肩上がりが続く。3月末の保有台数は、10年前の2012年と比べて4倍に拡大。年20%を上回る伸びとなる年も少なくない。特にここ数年、定額プランに着目するのが自動車メーカーだ。

19年にトヨタ自動車が「KINTO(キント)」を始めて以降、日産自動車が「クリックモビ」、三菱自動車が「ウルトラマイカープラン」を相次いで投入している。

キントの小寺信也社長は「いろいろなメーカーから(定額プランが)出てきて、サブスク、リースへの認識が2年前よりポジティブ」と指摘。ユーザーの受容性が高まっているとの認識を示した。

また、5月に「楽らくまるごとプラン」を投入したホンダは「新たな買い方は着実に広がっている。こうしたニーズを積極的に取りに行きたい」(安部典明日本本部長)と若者の取り込み策として力を入れていく考えだ。

個人向け自動車リース大手のオリコオートリース(松浦達博社長、東京都千代田区)は、4月末のリース車両保有台数が16万台を超えた。7年契約など長期プランが満了するケースが増えていることから、代替需要の取り込みを強化する。

インターネット通販型リースを提供するナイル(高橋飛翔社長、東京都品川区)は、5月の新規契約台数が新車で前年同月比2・6倍、中古車で同4倍だった。「新規参入企業やメーカーによる月額制サービスなどによって今後も市場拡大が続く」(広報)とみており、プレーヤーが増える市場でシェア拡大を狙う。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞6月8日掲載