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2021年6月07日

政府「成長戦略実行計画案」 グリーン化で電動車普及へ

政府は2日、今後の政策の方向性を示す新たな「成長戦略実行計画案」をまとめた。2050年に温室効果ガスを実質ゼロ化する目標の達成に向けた「グリーン化」や新たな経済成長の原動力と位置付ける「デジタル化」が軸となっている。

自動車分野では35年に乗用車の新車販売を全電動車とする目標達成を目指し、30年までに水素ステーションを1千基、電気自動車(EV)用の急速充電設備を3万基整備し、電動化を後押しする。人工知能(AI)の活用により、自動車の完成検査のデジタル移行も進める考えだ。

計画案では、政府がグリーン成長の重要分野の一つに位置づける「自動車・蓄電池産業」の中に、エネルギーやサプライチェーン全体の脱炭素化に向けた支援方針を盛り込んだ。

EVや燃料電池車(FCV)の導入促進につながる対策も進め、遅くとも電動車の経済性や利便性を30年までにガソリン車並みとしていく考え。水素も供給量を増やすことで、FCVの普及につなげていく。

その一方で、急速に電動車シフトが進んでいくと、自動車産業の中には抜本的な構造転換に迫られる企業が出ることになる。政府はこうした企業へのサポートを充実していく。

例えば、内燃機関の部品メーカーが電動部品の生産に挑戦したり、ガソリンスタンドを「EVステーション」に転用するなど、業態転換を支援する考え。これにより、失業なき労働移動を目指していく。

経済安全保障の面では先端半導体に加え、電動車の基幹部品となる蓄電池についても国内製造拠点の立地推進を図っていく。電動車の性能向上に欠かせない希土類などの調達先の多様化も加速させる計画だ。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞6月3日掲載