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自動車産業インフォメーション

2021年5月28日

経産・環境省WG、リサイクル制度見直し ユーザー負担軽減を確認

自動車リサイクル制度の見直しを検討する経済産業省と環境省のワーキンググループは24日、自動車ユーザーが負担しているリサイクル料金を引き下げてユーザー負担を軽減するなどの今後の方針を確認した。

廃車からプラスチックやガラスなどの素材を回収した解体事業者に対してインセンティブを付与することも検討する。リチウムイオン電池など、車の電動化に伴って使われる部品や素材の回収・リユース・リサイクルについても検討が必要としている。

ワーキンググループが「自動車リサイクル制度の施行状況の評価・検討に関する報告書」案をまとめた。現在、主に自動車ユーザーが負担している資源化等預託金は、コスト削減の効果などから2019年度で約41億円の黒字が発生、今後も余剰金が発生する見通し。

これを有効活用するため、制度を見直し、自動車メーカーが再資源化の実費分だけを請求する方式に変更、余剰部分を「特預金」として扱い、ユーザーの負担軽減に使用することなどを21年度内に検討する。実現すればリサイクル料金の引き下げにつながる。

解体・破砕段階で素材の回収やリサイクルを促進するため、プラスチックやガラスの素材を回収した解体事業者に経済的なインセンティブを付与し、シュレッダーダストの発生量抑制も検討する。現行の指定3品目以外でも再資源化を促進して資源循環を高度化していく。

また、カーボンニュートラル社会に向けてリチウムイオン電池を搭載した電動車両の普及が予想される中、委員から「自リ法でバッテリーを指定回収物品にする必要がある」との意見もあった。電動車両には、電池以外にも炭素繊維強化プラスチック複合材などの新しい材料が採用される可能性がある。

将来的には電動化時代に合わせた制度に改正していく必要があるとの認識で一致、5年以内に議論をスタートする。ワーキンググループは今後、最終案をとりまとめ、パブリックコメントを実施した上で、自動車リサイクル制度の本格的な見直し作業に入る。

カテゴリー 会議・審議会・委員会
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞5月25日掲載