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自動車産業インフォメーション

2021年5月24日

カーボンニュートラル政策検討会 政府の強力な支援必要

経済産業省と国土交通省が合同で実施してきた「カーボンニュートラルに向けた自動車政策検討会」の第5回会合が19日開かれ、これまで自動車関連団体などに行ったヒアリング結果がまとまった。

そこでは日本の自動車産業の脱炭素化と国際競争力の向上には、技術開発や社会実装、人材育成などさまざまな面で政府の強力な支援が必要なことが提起された。

両省はこの結果を2050年の温室効果ガス実質ゼロ化を目指す「グリーン成長戦略」に反映して、自動車分野の具体的な政策をつくる考えだ。

同検討会は3月以降、25の関連団体や企業、自治体などから、脱炭素化に必要な支援策や規制改革、現状の課題認識などの意見や要望を吸い上げてきた。

日本自動車工業会や日本自動車販売協会連合会、日本自動車整備振興会連合会など生産から流通を支える多くの自動車関連団体が参加。

全日本トラック協会をはじめとする物流関連、全国石油商業組合連合会といったエネルギー関連など、脱炭素化政策の影響を受ける業界からも幅広くヒアリングした。

参加団体・企業で共通したのは、政府が目指すカーボンニュートラルの重要性を認識した上で、脱炭素化に向けてチャレンジすること。しかし、電動車の普及でもガソリン車との価格差を埋める購入補助金の拡充や税制の特例措置、充電インフラ整備などを急ぐ必要がある。

経営体力のない中小・小規模事業者の業態転換をサポートする仕組みも必要になる。日本が蓄電池の性能や価格競争力で世界をリードするためには、研究開発投資もかさむ。とりまとめには、これらさまざまな課題のクリアに必要なポイントが盛り込まれている。

また、電動車は使用段階だけでなく、製造やエネルギーの観点から温室効果ガスの排出量を判定すべきとの指摘があった。走行に使用する電力の発電でCO2の排出が多ければ、トータルの脱炭素化にはつながらない。

有識者からも「自動車の電動化と、エネルギーの脱炭素化を並行して進めるべき」との意見が出された。

カテゴリー 会議・審議会・委員会
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞5月20日掲載