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2021年4月28日

公取協、会員対象アンケート 8割が中古車の支払総額表示

自動車公正取引協議会(公取協、神子柴寿昭会長)は、本体価格に諸費用を加えた中古車販売の「支払総額表示」に関する実態を把握する狙いで、会員事業者を対象に初のアンケート調査を行った。

回答した会員事業者のうち、販売価格を支払総額で表示している割合は約8割を占めた。残り約2割は支払総額を表示しておらず、主な理由として「手間がかかる」や「価格が高く見えてしまう」を挙げた。

公取協は不当な価格表示や不適切な販売行為の未然防止を目的に、支払総額表示への統一について検討を行っており、関係団体と連携しながら2021年度内に見解をまとめる予定だ。

店頭や広告などで安価な本体価格を表示しながら、実際には高額な保証や整備、オプションなどを購入条件としたり、言葉巧みに誘導して購入を強いるなどの不当な価格表示や不適切な販売行為が増加傾向にある。

それらに伴う消費者とのトラブルも増えていることから、会員事業者における支払総額表示などの実態を調べ、今後の検討を行う際の参考として活用する考えだ。

「現在、販売価格の表示は支払総額としているか」の問いに対しては、全体で75・4%が「はい」と回答した。内訳は「店頭、広告で表示」が32・2%、「広告のみで表示」が32・1%、「店頭のみで表示」が11・1%となった。

支払総額で表示する理由として最も多かったのは、「購入時の必要金額がわかりやすい(消費者が求めているものだから)」で約8割を占めた。問い合わせや商談時間などが短縮できる利点なども挙がった。

支払総額表示を行っていない理由では、プライスボードなど毎月変更する必要があるなど「手間がかかる」との回答が38・1%と最も多かった。

そのほかにも「メーカー提供のプライスボードは総額を表示できない」や「遠方からの問い合わせの場合、環境性能割、陸送費、県外登録費用などの差異が発生しやすい」といった理由なども挙がった。

販売価格として支払総額を表示することにしたほうが良いかとの設問には、「したほうが良い」が52・8%と半数を占めた。

「現状のまま(車両価格と支払総額どちらの表示も可)のほうが良い」も41・1%あり、「現状問題がない」や「お客さまごとに要求される納車整備内容などが違って個別対応しにくい」との意見がある。「しないほうが良い」は6・1%だった。

支払総額を表示する場合に必要と考えられることは何かとの問いには、「事業者への周知徹底」が64・5%と最も多かった。次いで「諸費用の明確化」「消費者に対するPR」と続いた。「違反行為に対する罰則強化」や「非会員への対応」を求める声も多かった。

アンケート調査は、2020年11月~21年1月に実施した。回答数は1423人。今回の調査結果と、3月に実施する消費者向けのアンケート調査結果を踏まえて、今後も引き続き検討を行うという。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞4月24日掲載