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自動車産業インフォメーション

2021年4月23日

自工会調査 20年度の普通トラック市場、色濃いコロナ影響

日本自動車工業会(豊田章男会長)が19日に発表した2020年度普通トラック市場動向調査によると、トラック事業者がドライバー不足や高齢化の進行に加え、新型コロナウイルス感染拡大の影響による経営悪化に直面していることが分かった。

コロナ禍では巣ごもり需要の高まりで宅配便の取り扱いが急増しているが、こうした需要は大手事業者に集中しているとみられ、国内全体の輸送総量は減少傾向が見られた。

同調査は隔年で実施している。20年度調査は感染防止のために従来の訪問留置方式から郵送方式に切り替えた。対象は全国のトラックを保有する事業者と大手荷主企業で、新型コロナ感染の第2波が広がった8月下旬から10月上旬に調査を行った。

今回の調査結果は、コロナ影響が色濃く表れた。経営状況は輸送業、自家用ともに前回調査(18年度)より「好転」が減り「悪化」が大幅に増加。荷扱量水準も前回より減少し、14年以降で最も低くなった。

トラックの保有台数の増減は、輸送業では過去2年間でほぼ変わらず、今後5年間においても「変わらない」が前回と比べて増加し、現状維持が続く見通しだ。

一方で、大規模事業所や経営状況が好転している事業所は増車もしくは増車見通しの比率が高く、コロナ禍で企業の格差が広がっていることが分かった。

ドライバー不足や高齢化は半数以上の事業者が輸送上の問題点に挙げている。輸送業では特に大型免許での不足率が高く、自家用では中型、大型に加えて準中型免許の不足率が高いことが分かった。

安全サポート機器で最も役立ったのはドライブレコーダーで、運輸業が最も「あれば良い」と思った機器は「衝突回避・被害軽減ブレーキ/自動ブレーキ」だった。

自工会では同日、小型・軽トラックの市場動向調査結果を発表した。コロナ禍による経営への影響は普トラと同様に及んでおり、6割の事業所が経営状況が悪化したと回答した。

7割弱の事業所はコロナ禍前の状況に戻るのに2年以上かかるとの見通しを示した。電動化のニーズはハイブリッド車が最も購入意欲が高く、今回はプラグインハイブリッド車の伸びが目立った。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞4月20日掲載