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2021年4月16日

国交省、運行管理をロボットで代行 10月にも実証

国土交通省は、運輸事業で運行管理者の業務をロボットなどが代行する「自動点呼」の実用化に向けて、10月にも実証実験を開始する。呼気などから自動的に健康状態や飲酒の状況をチェックする機器を活用し、運行管理の負担軽減につなげる。

当面は、始業時に比べて点呼項目が少ない終業時に試す計画。実証実験を踏まえてノウハウを蓄積するとともに、自動点呼に使用する機器の性能を確かめ、本格導入に向けた環境を整える。

現在、民間企業を中心にアルコール検知器や免許証リーダー、車両キーの持ち出し・返却を管理するキーボックスなどを利用した点呼支援機器の開発が進められている。

実証実験ではこれらを活用するとともに、キーボックスのIoT(モノのインターネット)化による携行品の再確認や、運行データを使い自動的に運転手の勤怠を管理するシステムなどの有効性を検証する。

国交省は、将来的に点呼結果の自動保存や、点呼後の運行可否の総合判断が可能な新しい運行管理システムを構築する考え。ただ、始業時点呼は、健康状態の確認や運転特性に関わる注意などを併せて運行の可否を判断することが必要で、自動化の難易度が高い。

このため、まず携行品の回収や勤怠管理が中心の終業時点呼の自動化を目指す。

現行の運行管理制度は、対面での点呼を原則としている。しかしトラック・バス事業者では運転者のみならず、運行管理者の人員不足も深刻な状況で、点呼業務の負荷が高まっていた。

国交省は運行管理者が他の営業所の車両やドライバーの運行管理も行う「遠隔点呼」の実証実験に乗り出しており、ITを活用して運行に関わる人的負担を軽減していく考えだ。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞4月13日掲載