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2021年4月14日

トーヨータイヤ、エアレスタイヤ実用化へ 小型モビリティ向け

トーヨータイヤは、空気を充填しないエアレスタイヤの実用化に乗り出す。年内に仙台工場(宮城県岩沼市)にエアレスタイヤを生産するラインを導入して生産テストを実施する。

品質やコスト、市場性などを検証してビジネスとしての実現可能性を探る。エアレスタイヤは現在、法規制で一般公道での走行が認められていないため、まずゴルフカートなどの小型モビリティ用途での実用化を見込む。

エアレスタイヤの実用化に向けて本格的に取り組むのは国内タイヤメーカーでは初めて。早ければ2022年ごろまでに量産体制を整えることを想定する。

同社のグローバルマザー工場である仙台工場に量産ラインを設置する。エアレスタイヤは基盤技術センター(兵庫県川西市)内にある中央研究所を中心に開発してきた。実用化に向けた製品技術は確立したため、今後は実際の生産ラインでの量産テストに移る。

試験期間は具体的に設定していないものの「製造自体は樹脂を流し込んだり、ゴムを周りに貼り付ける工程なので長期化しない」(清水隆史社長)としている。

同社は06年からエアレスタイヤの研究開発に着手し、17年にエアレスコンセプトタイヤ「ノアイア」を発表し、量産技術の開発を継続してきた。エアレスタイヤはまずゴルフカートやテーマパークの園内移動車など、公道を走行しないモビリティ向けでの採用を目指す。

空気を充填しないエアレスタイヤは空気圧チェックなどのメンテナンスが不要で、パンクのリスクもなくユーザーの負担が軽減される。カーシェア車両や自動運転車に適していると見られており、将来的に公道走行が解禁される可能性があり、国内外のタイヤメーカーが開発を進めている。

ブリヂストンと住友ゴム工業はコンセプトモデルをすでに発表済みで、ミシュランはゼネラル・モーターズ(GM)と共同でエアレスタイヤを共同開発し、早ければ24年に量産を始める予定。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞4月6日掲載