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同友会提言 カーボンニュートラルへ再エネ、30年に40%を

2021年4月8日

経済同友会は政府が策定する次期「エネルギー基本計画」に関する意見をまとめ公表した。2050年のカーボンニュートラル達成に向け、電源構成に占める再生可能エネルギーの割合を30年に40%に高めること、安全性が確認された原発を最大限に活用することの必要性などを提言した。

再エネ40%の達成は容易ではないものの、野心的目標を掲げ、実現策を検討することが重要と主張している。

気候変動問題の解決を通じた経済再生・成長を目指し、国家や企業間の覇権争いが激化する。わが国も50年カーボンニュートラルへの挑戦を通じ、産業の国際競争力、新事業創造、社会変革に取り組む必要がある。

エネルギー基本計画は経済活動、国民生活の基盤であり、今回の見直しは世界が注目するマイルストーンとしての重要な意味を持つ。以上の問題意識に基づき、エネルギー基本計画の見直しに対する意見を表明する。

現行のエネルギー基本計画に基づく長期エネルギー需給見通しでは、30年の電源構成を再エネ22~24%、原子力20~22%、火力56%としている。

50年カーボンニュートラルの実現に向け、30年目標は重要なマイルストーンであり、これまで以上にゼロエミッション電源(再エネと原子力)を最大限活用することが鍵になる。

資源に乏しいわが国では、特定の電源のみに依存しすぎることはリスクが大きく、多様な電源を組み合わせ、さまざまな環境変化に対応可能なレジリエント(弾力性のある)な電源構成にすることが重要である。

30年の電源構成における再エネ比率は、太陽光と風力で30%、水力・地熱・バイオマスなどで10%の合計40%に引き上げるべきである。仮に原子力比率が現行水準の6・2%程度にとどまったとしても、13年比26%減の温室効果ガス削減目標の達成は可能となる。原子力比率が現行目標(20~22%)を達成すれば、削減を上積みできる。

再エネ比率40%の実現は容易ではないが、野心的な目標を掲げた上で、達成に向けたロードマップを描き、実現性を検討することが重要である。

諸研究機関の分析によると、50年カーボンニュートラルは、コスト面などを考慮すると原発の活用無しには非常に困難であるため、安全性が確認された原発はゼロエミッション電源として可能な限り活用していくべきである。

本会では、これまで「縮・原発」の考え方を基に、30年原子力比率の「下限20%」を提案してきた。その後の原発再稼働状況を踏まえると、現行の政府目標(20~22%)の達成が危ぶまれるが、少なくとも新規制基準への適合審査で許可済みおよび申請済みの27基稼働を前提とする「15%程度」を下限とし、高レベル放射性廃棄物最終処分問題、核燃料サイクル政策の再構築などの環境整備を国が責任をもって行うべきである。

技術や人材を生かし、安全性が飛躍的に向上する次世代原発の研究開発も推進すべきだ。

世界的な「脱化石燃料」の流れが加速し、ESG(環境・社会・統治)投資でもダイベストメント(投資撤退)の動きが活発化している。輸入化石燃料に大きく依存するわが国は、脱化石燃料に向けたビジョンを描き、ロードマップを策定すべきである。

エネルギー政策の決定に当たっては、供給者視点だけでなく、需要者の視点も重視した基本計画の策定、省庁横断的な司令塔機能の強化が必要となる。国民、特に次世代の声を政策決定に反映する場を設置し、国民的な合意形成を図っていくことが重要である。

エネルギーミックスは技術の進展、社会・経済状況、産業構造によって大きく左右される。長期的な需給見通しを明確に示し、技術開発や投資を促す一方、あらゆる事態を想定し、複数の選択肢を用意していく必要がある。

再生可能エネルギーだけでなく、原子力、火力の高効率化、省エネ・蓄エネの推進などバランスを取りながら進めていくことに加え、水素やアンモニアなどの革新的技術や核融合炉などの技術にも挑戦していく必要がある。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞4月5日掲載

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