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2021年3月23日

脱炭素の輪を世界に 環境省が国際フォーラム初開催

温室効果ガスの低減に取り組む世界の主要都市を集めた「脱炭素都市国際フォーラム」が17~18日にオンラインで開催された。同フォーラムは環境省が主導し、初めて開催した。

国内外の都市の首長や代表者がそれぞれの先進的な事例を共有し、新たな都市間連携の加速につなげる場とする狙い。都市の脱炭素化にはモビリティ対策が欠かせず、多くの都市が運輸関連をテーマに取り上げるなど関心の高さを裏付けた。

東京都の小池百合子知事も「2030年までに都内で新車として販売される乗用車を100%非ガソリン車とする」と改めて表明し、対策を加速させる考えを示した。

17日の開幕セッションに登壇した小泉進次郎環境相は脱炭素社会の実現には地域と直結する都市での取り組みが重要とし、「ドミノのように脱炭素の輪を世界に広げていく必要がある」とフォーラム開催の狙いを説明した。

すでに「世界の39の都市と東京都を含む15の日本の都市が連携している」とし、「今後も都市と都市との連携を支援していく」と約束した。

2日間の会期中、約30もの都市や関係機関が出席した中で、注目を集めたテーマの一つが「モビリティ」。ビデオメッセージを寄せた米国のケリー気候問題担当大統領特使も「東京はゼロエミッション車などを備えた都市ビジョンを打ち出した」と述べた。

人流や物流が活発になる大都市ほど、交通分野での温室効果ガスの排出量が多い。このため、この領域でいかに引き下げられるかを喫緊の課題に位置付ける都市が多い。東京都以外に小田原市やさいたま市なども電気自動車(EV)を活用した独自の事業を紹介。

海外でも今年の「国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議」(COP26)の会場となる英国のグラスゴー市もモビリティのグリーン化の重要性を訴えた。

一方、フォーラムの開催に協力した気候変動に関する国際連合枠組条約(UNFCCC)のエスピノザ事務局長は、「パリ合意」について「5年間テーブルの上にのったままであり、目標達成にはまだまだ足りない」と国際的な対策の遅れを指摘。「都市レベルでもより野心的に取り組まないといけない」と呼びかけた。

カテゴリー 展示会・講演会
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞3月19日掲載