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2021年3月16日

電池サプライチェーン協議会、4月設立 国内初の車載用電池団体 

電動車両の重要部品であるバッテリーに関する日系企業の競争力強化に向けて、電池メーカーや自動車メーカーで構成する新団体「電池サプライチェーン協議会(BASC)」が4月1日に立ち上がる。

車載用電池の団体設立は国内で初めて。リチウムイオン電池をはじめとするバッテリーは、世界中で取り組みが加速している脱炭素社会に向けたキーデバイスとなっている。

電池は中国や韓国系の企業が存在感を高めており、電池材料であるリチウムに関する国際規格作りも中国主導で進んでいる。こうした中、BASCは電池サプライチェーンの国際標準化や、リサイクル体制の構築を含めた循環型の電池エコシステムなどを構築する。

協議会の会長には住友金属鉱山で電池材料事業本部長を務める阿部功本部長が就任する。会員にはホンダやパナソニック、プライムプラネットエナジー&ソリューションズ、出光興産、三菱ケミカルなど、約30社が参画する。

日系電池関連企業が団体を設立するのは「日本の電池産業がグローバルで劣勢な立場に置かれている」(参加企業)ためだ。

中国はリチウムの採掘と製錬、検査、分析、リチウム化合物の製造など、リチウムに関するISO規格を作成する技術委員会の幹事局として存在感を示している。一方の日本は「審議団体すらない状況」(同)。

米国バイデン政権は2月、リチウムイオン電池などのサプライチェーン見直しを要求する大統領令に署名した。リチウムイオン電池は各国の戦略物資になりつつある。

車載用途をはじめ、さまざまな産業でリチウムイオン電池の採用が進む中、リサイクル体制の構築も循環型社会の実現の向けて重要な課題となっている。

新団体は、電池材料や生産など、サプライチェーンにかかわる日系企業が一致協力して電池産業全体の課題解決に向けて世界をリードしていくことを目指す。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞3月10日掲載