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2021年3月11日

国交省、高速道14カ所を4車線化へ 災害や大雪に強く

国土交通省は2021年度、全国の高速道路における暫定2車線区間のうち14カ所の約86㌔㍍について4車線化事業に着手する候補に選定した。赤羽一嘉国土交通相が5日の閣議後会見で公表したもので、「自然災害による被災状況や渋滞状況、事故の発生状況などを総合的に勘案した」ことも明らかにした。

国交省が、19年に所要時間のばらつきを少なくするといった時間信頼性の確保などで課題が大きいとして設定した約880㌔㍍の優先整備区間にも重なる。本格的に事業化されれば、それぞれの地域の問題解消に向けた道路網の構築につながる。

赤羽国交相は「昨今、災害が激甚化、頻発化している」との危機感から、「災害時に速やかに緊急車両の通行が確保されるなど災害に強い道路ネットワークが必要」との考えを示した。

4車線あれば片側2車線が被災しても残りを活用することで、復旧や救援活動が円滑に行える。2月に発生した福島県沖地震でも常磐自動車道が被災し、一部区間で数日にわたって通行止めが続いた。

現地を視察した赤羽国交相も「4車線区間であれば、通行止めがさらに早く解消したのでは」とし、土砂崩れが発生した相馬インターチェンジ(IC)と新地IC間の約6㌔㍍について4車線化を自ら指示したことも明かした。

また、候補区間の中には北海道や東北、北陸なども目立つ。これらのエリアは今シーズンの記録的な大雪により、車両滞留などが相次いだ。こうした地域でも4車線化が進むことで、降雪地における道路ネットワークの耐性を高める効果も期待できそうだ。

赤羽国交相は「(21年度)当初予算成立後、事業許可に向けて必要なプロセスを進めていく」と、事業化への意欲を見せる。優先整備区間は20年度、15カ所の約110㌔㍍を事業化しており、国交省では今後、21年度分を以外の残る区間ついても順次、整備を進めていく考えだ。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞3月6日掲載