2021年3月8日
自衛官の整備士雇用に高まる関心 即戦力へ有力な人材枠
防衛省を退官した自衛官の整備士雇用への関心が高まっている。自衛官は強靭性を保つために若年定年制(50歳代半ば)か任期制(20歳代~30歳代半ば)を採用し、多くが退職する。
その後に民間企業に就職するケースが大半だが、自動車整備士資格の取得者は多く、2018年度は全国で79人が整備士として再就職している。整備士の人手不足が深刻化している自動車整備業界にとって、整備士資格を持つ退官自衛官の雇用は即戦力の確保につながる有力な人材枠となり得そうだ。
陸上自衛隊では茨城県土浦駐屯地、海上自衛隊では千葉県下総航空基地、航空自衛隊では福岡県芦屋基地でそれぞれ自動車整備に関する研修を実施している。ここで自衛隊が持つ車両の整備のノウハウを学び、日常業務に従事する。各施設とも国土交通省の整備士養成施設ではない。
ただ、その後の養成施設で自動車整備士資格を取得したスタッフが陸上自衛隊で2700人、海上自衛隊で200人、航空自衛隊で300人とそれぞれ在籍する。
一方で、自衛官の年間退職者数は9300人に達している。その中で、「在職中に培った自らの技量を生かしたいと考え、自動車整備士に興味を持つ在籍者は多い」(防衛省人事教育局人材育成課援護企画室)と話す。
再就職者79人の内訳は若年定年制が15人、任期制が64人。今後も防衛省として再就職に向けた職業訓練を実施し、自動車業界への就職を後押ししていく。
カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
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対象者 | 自動車業界 |
日刊自動車新聞3月4日掲載