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2021年3月4日

日産 次世代「eパワー」用エンジンで熱効率50%を実現

日産自動車は、LCA(ライフサイクルアセスメント)視点で、ハイブリッド車(HV)の二酸化炭素(CO2)排出削減を推進する。電動化戦略の柱の一つに据えるシリーズハイブリッドシステム「eパワー」向け発電専用エンジンで、熱効率50%を実現する燃焼技術を開発したと発表した。

走行時の環境負荷を低減する。当面電動車の主流となるHVの低炭素化により、カーボンニュートラルに貢献する。

日産は1月に50年までのライフサイクル全体のカーボンニュートラルを実現する目標を打ち出した。この具体策のうちの一つとして、エネルギー効率を向上させたeパワーの開発を掲げている。

eパワーは、エンジンで発電した電力を使いモーターのみで駆動する。次世代eパワーエンジンの開発にあたっては、発電専用であることを生かして、エンジンの使用領域を最も効率のいいポイントに限定する。

同エンジンのカギとなる技術として開発したのが新燃焼コンセプト「STARC」。シリンダー内のガスの流動や点火を強化し、より希釈した混合気を高圧縮比で確実に燃焼させる。希釈方式としてEGRを使う場合で43%、リーン燃焼を使う場合で46%の熱効率を実機実証済み。

バッテリーの進化と合わせ、完全定点運転により同50%の実現可能性を確認した。

26日のオンライン会見で平井俊弘専務執行役員は「脱CO2化を絶え間なく進めるためeパワーは日産の電動化戦略の柱を担う」と語った。HVの低炭素化に加え、再生可能エネルギーの導入拡大による電気自動車(EV)のLCAのCO2排出削減とセットでカーボンニュートラルを推進する。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞2月27日掲載