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2021年3月4日

国交省自動車局長 スムーズなワクチン接種へ全国市町村サポート

国土交通省の秡川直也自動車局長は日刊自動車新聞社などの取材に応じ、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種において、物流や旅客の面で全国の市町村にアドバイスできる体制整備を進めていることを明らかにした。

「厚生労働省を通じて、すべての市町村に運輸局や運輸支局の連絡先、担当者名を伝えている」とし、接種方法が異なるそれぞれの自治体の要望に沿った物流や人流の体制整備を支えていく。

ワクチンは地方の中核拠点まで製薬会社が輸送を手配しているが、これ以降の細かな輸送ニーズに応えていくことで、全国での迅速かつ的確な接種の実現に貢献していく狙いだ。

このほか、旅客事業者向けの車内の高性能フィルターを備えた空気清浄機などの導入支援の取り組みやホンダが発売を控えている自動運転「レベル3」車への考えなども示した。

ワクチン接種は自治体それぞれが独自の手法で行っていく。集団接種では会場に高齢者をバスやタクシーを使って送りたいというケースが予測されるほか、寝たきりの場合には接種チームが出向くことも想定される。

秡川局長は「これらは(輸送の)プロにやってほしいというニーズがある」としたものの、自治体によってはさまざまな物流・旅客事業者と「付き合いがないケースもある」という。

このため、各地の輸送事業者に精通した運輸支局が間に入ることで、個々の自治体に最適な接種体制づくりをサポートする。

一方、旅客事業者向けに車内の高性能フィルターを備えた空気清浄機などを導入支援する補助事業については、都道府県などのサポートを要請していることを明らかにした。

国交省では2020年度第3次補正予算で成立した「ポストコロナを見据えた地域公共交通の活性化・継続」において、費用の2分の1程度を補助する。

秡川局長は「残りを『地方創生臨時交付金』などを活用して支援してもらえれば、事業者は自己負担なしで導入できる」とした。コロナ禍で利用者が低迷する事業者の中には投資余力に乏しいケースもあり、国と地方が協力して支えることで安全かつ安心な交通網の維持につなげる。

このほか、ホンダが3月までに世界初の自動運転「レベル3」の認証を取得したモデルの発売を予定している点に触れ、実際の市販が間近に迫る中で「ようやくここまで来たのは素晴らしいこと」と同社の取り組みを評価した。

さらに、認証取得までには「いろいろな基準も含めて、官民一体で取り組んできた」ことも明かし、「こうしたことが成果として出ており、喜ばしい」とした。

加えて、「より高度な自動運転技術の開発に進んでほしい」として、レベル4を見据えた取り組みへの期待感も述べた。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞3月1日掲載