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2021年3月2日

「レベル4」実用化を見据え 自動運転車・サポカー議連が総会

自動運転「レベル4」(限定条件下での完全自動運転)の実用化を見据えた議論が活発化している。自動運転車・サポカー推進議員連盟(世耕弘成会長)は自動車メーカーや関係省庁を交えて2月24日に開いた総会で、日本提案の国際基準づくりや柔軟な法整備、次期国家プロジェクトの重要性などを確認した。

ドイツでは自動運転レベル4の公道走行を可能にする道路交通法改正の動きが進む。世界に先駆けて「レベル3」の実用化を狙う日本は、引き続き自動運転分野での競争力を維持するため、オールジャパンで技術開発・規制緩和を両輪で進めることが重要となる。

日本では2020年4月の改正道路交通法と改正道路運送車両法の施行により自動運転レベル3が国内で解禁された。一定条件を満たせば、ドライバーの代わりにシステムが運転することが認められ、運転者は常にハンドル操作をする必要がなくなる。

法改正を受け、ホンダは同年11月に「トラフィック・ジャム・パイロット」を搭載した「レジェンド」の型式指定を取得し、20年度内に発売する計画だ。

さらなる自動運転の高度化に対しては、乗客の安全性確保などクリアすべき課題が多い。ただ、ドイツでは無人移動サービスの実現を見据えた道路交通法改正案が今月閣議決定された。公道で自動運転レベル4の車両の走行を可能にするもので、技術基準や遠隔操作型の自動運転に関与する人の義務のあり方などを規定し、22年までの施行を目指している。

こうした海外の動きに対して日本政府は「日本がリードしているという現在のポジションを将来にわたり維持できるか、安泰の状況ではない」と危機感を示す。

24日に開かれた自動運転車・サポカー推進議員連盟の第6回総会では、自動運転レベル4を巡る国内の実証や技術開発、制度整備の動向を中心に議論した。

日本自動車工業会・自動運転部会の横山利夫部会長(ホンダ四輪事業本部電子制御開発統括部エグゼクティブチーフエンジニア特任)は、柔軟な法整備に加え、「日本仕様の国際基準調和や国際標準化活動に積極的に取り組み、ガラパゴス化がないようにお願いしたい」と政府に要望。

22年度までを期限とする戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期についても、産学官連携の枠組みを継続する次期プロジェクトを求めた。

同議員連盟の世耕会長は「日本の自動車産業が世界をけん引する上でレベル4をできるだけ早期に実現することが極めて重要。自民党としても強力に後押ししていきたい」と語った。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞2月27日掲載