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2021年3月1日

経産相、35年の国内新車販売電動車化 経済・雇用も重要な要素に

梶山弘志経済産業相は2月24日の閣議後会見で、2035年までに国内の新車販売をすべて電動車化するとの政府目標について「技術の進展だけではなく、経済や雇用も非常に重要な要素としてしっかりと考えていく」との方針を示した。

内燃機関車に比べて部品点数の少ない電気自動車(EV)が主流になることにより、一部では雇用減につながるとの指摘が出ている。梶山経産相は「自動車部品などの関係業界で一定程度の影響が生じることが想定される」とした。

しかし、電動部品に参入するなど「政府として新たに挑戦する企業の取り組みを支援する」ことで雇用維持につなげる考えを述べた。このほか、閣議で東アジア地域包括的経済連携(RCEP)協定の国会承認案が閣議決定されたことにも触れ、「これからのアジアにおける貿易の基礎となる」といった考えを示した。

梶山経産相は「これまでガソリン車の変速ギアを製造していた中堅・中小サプライヤーが、電動車用モーターに乗り出す」などの例を挙げ、部品メーカーをはじめとする自動車産業の脱炭素化に向けたチャレンジをバックアップしていく計画だ。

政府はすでに総額1兆円を超える「事業再構築補助金」の新設を決めている。今後、中堅・中小企業をはじめとする多くの事業者が、新分野への進出や業態転換などを図りやすくし、次代の成長基盤づくりをサポートする。

また、新車販売すべての電動車化について、世界の潮流が脱炭素化に向かう中で「我が国の自動車産業が世界の市場に競争力を持って臨むためには取らざるを得ない方針」と理解を求めた。

これに伴う構造変化については「労働移動や他の産業での吸収なども含めて考える」とし、さまざまな対策を進める考え。こうした施策の実効性を高めるためにも、「自動車産業をはじめとする産業界や個社との対話を重ねていく」とした。

梶山経産相は会見でこのほかに、同日の閣議で東アジア地域包括的経済連携(RCEP)協定について、国会承認案が閣議決定されたことを受けて、「世界最大級の経済連携協定であり、これからのアジアにおける貿易の基礎となっていくもの」と改めて重要性を強調した。

その上で、アジア地域における「望ましい経済秩序の構築につなげていく」ため、政府として早期の国会承認を目指す考えも示した。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞2月25日掲載