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2021年2月25日

国内タイヤメーカー4社の業績予想 全社が増収増益見込む

国内タイヤメーカー4社の2021年12月期業績予想は、全社が増収増益を見込む。新車用、市販用ともに、20年上期(1~6月)に新型コロナウイルスの影響で落ち込んだタイヤの生産量分が回復する見通し。一方で、原材料の高騰や感染の再拡大など懸念材料もくすぶる。

需要がコロナ禍前の19年水準に戻りきるのは「22年頃」(住友ゴム工業の山本悟社長)との見方もあり、各社とも2021年も引き続き固定費の削減などに取り組む考え。

20年12月期連結業績は、4社全てが減収、営業減益となった。コロナ禍でのロックダウン(都市封鎖)で、完成車メーカーが自動車の生産を停止、タイヤ各社も工場の稼働を止めた。これにより20年1~6月期は全社が大幅な減収減益となり、ブリヂストンと住友ゴムは最終赤字を余儀なくされた。

7月以降は、生産、販売量が徐々に回復し、20年7~12月期だけで見れば、ブリヂストンは前年同期比7%減、住友ゴムは同3%減まで売り上げを戻した。国内では年末の降雪で「冬用タイヤの販売が好調」(横浜ゴム)だったことも追い風になった。ただ、上期の落ち込みをカバーしきれず、通期では厳しい着地となった。

今期の見通しは4社とも増収増益を予想する。販売本数も前年越えを想定。ブリヂストンは北米が販売増をけん引し、乗用車タイヤの新車用は前年比で2割以上、補修用は1割強の増加を見込む。トーヨータイヤも北米で市販用タイヤの販売が1割強増えるとした。

一方で、足元では半導体不足や福島沖地震による影響で、完成車メーカーが生産を一部停止するなど不透明感も強い。タイヤ市場では「天然ゴムなどの原材料価格が高騰している」(トーヨータイヤの清水隆史社長)などの不安材料もあり、業績面ではコロナ禍前の19年水準に戻るのは難しいとの見方だ。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界