自動車産業インフォメーション

自動車リースでネット契約拡大 コロナ禍が消費行動に影響

2021年2月24日

新型コロナウイルス感染拡大による新たな生活様式が定着し、消費者のインターネットによる購買行動活発化が自動車リースにも波及している。

テレビCMの露出が増えるトヨタ自動車の自動車サブスクリプションサービス「KINTO(キント)」は、2020年7~12月の申し込みが前年同期と比べて6倍以上に増加。

オリックス自動車(上谷内祐二社長、東京都港区)の「カーリース・オンライン」やニコニコマイカーリースなどを提供するMIC(増田信夫社長、横浜市都筑区)のインターネット通販も契約台数を大幅に伸ばしている。

インターネットだけで自動車を契約するスタイルは日本の市場で根付きにくいとの見方も強かったが、ここに来て急速に利用が増え始めている。

「日頃からウェブを活用する若者の契約が増えている」―。1月20日にキント(名古屋市西区)が開催したオンライン会見で同社の小寺信也社長は、自動車の定額利用サービスにおけるオンライン契約の拡大に向けた手応えを示した。

自動車サブスクのキントは19年に東京で先行実施した後、対応エリアを全国に拡大。ウェブとトヨタ販売店のいずれでも申し込みができるのが特徴だ。

申し込み数が拡大した20年7~12月実績のうち、6割がウェブ経由だった。特に30歳代以下は8割がウェブ契約となるなど、トヨタ販売店だけではカバーし切れなかった層の取り込みにもつながっている。

インターネットへの抵抗感が少ないと言われているデジタルネイティブ世代によって自動車の購入、契約方法が多様化しはじめた形だ。

オリックス自動車もオンラインによる契約台数が右肩上がりで伸びている。昨年はコロナ禍に伴う社員の在宅勤務化で一時的にネット経由の新規契約をストップしたものの、それ以外の期間では、前年と比べておおむね2割近く伸びているという。

リース営業本部ダイレクト事業部の井戸秀興担当部長は「インターネットによるダイレクトな契約はまだまだ認知度が低く、伸びしろは十分にある」と強調。今後は電話対応などに当たる営業部門の増強も検討しているという。

ナイル(高橋飛翔社長、東京都品川区)が展開する「マイカー賃貸カルモ」も20年の契約実績が19年と比較して約4倍にまで拡大した。毎月定額で自動車を利用できる手軽さが受け、地方のユーザーを中心に契約数を伸ばしている。

今後は、強みであるネット契約に加え、既存事業者によるリアル店舗での営業も取り入れる計画。ウェブとリアルの両輪で事業を拡大していく考えだ。

新車、中古車リース「ニコニコダイレクト」を展開するMICも、ネット通販型の契約が急伸している。1月の成約台数は60台を超え、前年同月と比べて4・3倍に膨らんだ。コロナ禍がいったん落ち着き始めた20年5、6月ごろから月間の成約台数が20台を超えるようになったという。

ネット契約が好調なことを受け、1日からは中古車での運用も関東の1都6県と愛知県で始めた。中古車ということもあり、保証を充実させた商品設計で用意。4月には対象エリアを全国へと広げる計画だ。

同社の担当者は「さまざまな商品でネット購入が浸透したことで、自動車のネット契約も抵抗感が薄れてきているのではないか」としており、中古車版の投入でオンライン契約がさらに拡大するとみている。

ネット型の自動車リース契約は主に個人ユーザーが対象だ。日本自動車リース協会連合会(露口章会長)がまとめた会員企業の個人向けリース保有台数は2020年3月末で約37万4千台となり、この10年で3・3倍に拡大した。

自動車リース保有台数に占める割合も右肩上がりで高まっている。今後は、ネットで契約できるサービスの増加によって、個人向けリース市場がさらに拡大していく可能性もある。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞2月17日掲載

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