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2021年2月19日

国交省〝ほこみち〟大阪などで開始 歩行者と車両が共存

道路使用の規制緩和によって地域活性化を目指す「歩行者利便増進道路(ほこみち)」制度がスタートした。国土交通省では大阪市など3カ所が道路管理者により、全国初の指定を受けたことを公表。

このうち、神戸市中央区の三宮中央通りは、新型コロナウイルスの感染拡大による道路占有許可の基準緩和の特例措置から、ほこみちに移行することになる。

指定された区間では飲食利用のほか、「デジタルサイネージやシェアサイクルポートの設置が容易になる」(国交省)という。同省では車両通行と共存しつつ、地域の社会や経済を盛り上げられる次代の道路づくりにつなげる考えだ。

12日付で全国第1号となったほこみちは、三宮中央通りの約500㍍と兵庫県姫路市の大手前通りの約800㍍に加え、大阪市中央区の御堂筋の約3㌔㍍もの区間となっている。道路管理者であるそれぞれの自治体が、ほこみちの指定を行った。

国交省では指定区間において、オープンカフェをはじめとする飲食スペースの利用だけでなく、ベンチを設けるなどして人を集められる場所としての利用を想定している。

赤羽一嘉国土交通相も「全国各地で活用できるように、国交省として制度のさらなる普及に努める」と、事業拡大に力を入れていく方針を示している。

国交省によると、これまでの道路占有許可は「やむを得ない場合や国家戦略特区など条件付で認められていた」という。こうした特例措置を「一般化していくことが(ほこみち制度の)趣旨であり、柔軟に運用していく」ことになる。

また、期間も従来は最長5年間だったが、新制度では公募により選定された場合は同20年間もの利用を認めるという。長期化によってテラスを設けるなど初期投資をかけたい事業者も参入しやすくなる見込み。警察による道路使用許可は引き続き取得する必要はあるとみられるが、道路利用の基準が大幅に引き下がるのは間違いない。

国交省ではコロナ禍による業績悪化に直面した飲食店などを支援する目的で、昨年6月に道路占有許可の基準緩和を実施。同年11月に、今年3月末までの特例措置の延長を決めていた。

国交省では昨年9月時点で、この特例措置を利用しているケースが全国で約240件あるとしている。こうした道路は、ほこみち制度においても有力な候補ともなりそうだ。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞2月16日掲載