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2021年2月12日

国交省、大雪時の交通網確保に注力 車両滞留回避徹底へ

国土交通省は、高速道路や幹線道路における大雪時の交通ネットワークの確保に向けた対策の強化に乗り出した。この冬、記録的な大雪によって長時間の立ち往生などの被害が相次いでいることを受けての措置。このほど、「冬期道路交通確保対策検討委員会」を2年ぶりに召集した。

予防的な対策も含め、通行止めを躊躇(ちゅうちょ)なく実施することで大規模な車両滞留の回避を徹底するといった対策について方向性をまとめた。

このほかの検討事項についても早急に詳細を詰めていく。これらは同委員会が2018年5月にまとめた中間とりまとめに、3月末をめどに追記していく方針だ。

同委員会の召集は18年11月以来、5回目。今シーズンは1千台以上にのぼる車両が数十時間にわたって立ち往生するような大規模な車両滞留事象が日本海側を中心に複数発生した。

委員会ではこれらの詳細が報告されたほか、人命や経済社会への悪影響を最大限に抑えるための対策が議論された。

今回の委員会では対策を進める上で、「人命を最優先にする」ことを確認。その上で、仮に空振りになったとしても、ためらうことなく通行止めを実施できるよう通行規制のあり方を見直すことが重要としている。

予防的な通行止めにより、集中除雪を行えば、結果的に道路を寸断している時間が短くなり、交通網が維持できるとの考えだ。さらに、広報の多頻度化も重要としている。

また、社会や人の行動変容を促していく必要性も訴えた。今回の立ち往生では全国への物流を担う大型トラックなど事業用車両が数多く巻き込まれ、物流への影響が大きくなった。

これを最小限にするためにも、深刻な大雪などでは道路機能が低下することを当事者だけでなく、荷主を含めた関係者やサービスを享受する国民全般が理解しておく必要がある。

これにより、代替ルートに変更するなどで時間やコストがかかることを容認していくほか、あらかじめ在庫の積み増しを行うなどの行動変革についても追記案で触れたい考えだ。

先に示された中間とりまとめでは大雪時の道路管理について、従来のできるだけ通行止めにしないという目標から、効果的な通行止めを組み合わせて「道路ネットワーク機能への影響を最小化」する考え方に大きく方向転換した。追記案ではこの新たな目標の実現に向けて後押しする内容になる見込みだ。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞2月9日掲載