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自動車産業インフォメーション

2021年1月29日

関西の部品メーカー 在宅勤務者に動画配信で健康指導

関西地区の自動車部品メーカーが、コロナ禍で在宅勤務が長期化している従業員の運動不足解消に向け健康指導を強化している。現在は集合型での運動機会の創出は困難なため、体調に関するアンケートの実施やストレッチ動画の配信などウィズコロナ時代に合わせた新たな取り組みを進めている。従業員が運動習慣を身に付けることで、健康診断での有所見率を下げる狙いもある。

NTNは、昨年7月にコロナ禍における心身の影響についてアンケートを実施した。対象は本社や支社、営業所に所属する在宅勤務者801人で、610人が回答した。在宅勤務中の姿勢や心身の不調、運動量など15項目で在宅勤務時の体調を調査した。

全体の75%が在宅勤務時に机と椅子を活用していると回答した。体の不調については男女ともに肩こりや腰痛、目の疲れがあがった。

「以前から不調があったが、(在宅勤務で)やや悪化した」が44%、「今回から不調が起きた」は25%と、在宅勤務が体調に影響を及ぼしているとの回答が約70%に達した。運動量については「以前より運動不足になった」が60%を占めた。

調査結果を踏まえ、12月に在宅勤務者を対象に「オンラインストレッチセミナー」を開催した。コナミスポーツのオンラインセミナーを活用して就業時間内に実施し、30人が参加した。特に多かった目・肩・腰の不調を予防するためのストレッチなどを行った。セミナーを録画し、参加できなかった従業員も後日、視聴できるようにしている。

セミナーを主催したEHS統括本部は「オンラインなら画面越しでも従業員同士、顔を合わせられる」と、一体感の醸成も狙ったと明かす。セミナーの継続は今後、検討するが、「運動不足は生活習慣病の悪化につながりかねない。従業員が運動習慣を身に付け、有所見率を下げられるように対応する」(EHS統括本部)考えだ。

住友ゴム工業は、健康管理室が主体となって従業員の健康改善に取り組んでいる。コロナ禍以前からイントラネット上の健康管理室のウェブページに「ウォーミングアップ」と「事務系エクササイズ」、「現場系エクササイズ」の3種類の体操動画をアップしていた。

コロナ禍を機に、関連会社が運営するスポーツクラブやゴルフ・テニススクールが制作したウォーミングアップやストレッチ、ゴルフフォームなどの動画を追加し、配信している。

両社とも現時点で在宅勤務を継続する意向だが、今後の従業員の健康管理の取り組みは模索段階にある。従業員に対する運動の習慣化への意識付けも重要となりそうだ。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞1月25日掲載