会員向けクルマ
biz

INFORMATIONクルマの情報館

自動車産業インフォメーション

2021年1月28日

オートバックス 店舗にレッカー車常駐、九州で先行導入

オートバックスセブンとBSサミット(磯部君男理事長)は、オートバックス店舗をレッカー車出動拠点として活用する取り組みを九州エリアで先行導入した。

昨年8月に締結した包括的業務提携の一環。オートバックスのフランチャイズ(FC)店舗が、ロードサービス(RS)を手掛ける地域の整備事業者にレッカー車の待機スペースを供出するほか、バッテリー上がりやパンクなどで救援した車両の入庫も受け入れる。

併せて、オートバックス店舗で整備・板金を受け付けた車両を提携事業者に振り向けるなど、相互に送客する仕組みを整える。

先行事例では、BSサミット加盟事業者でRSを手掛ける朝日自動車(藤野利浩社長、福岡市博多区)が保有するレッカー車をオートバックス店舗に常駐させ、機動的な救援を実現した。

朝日自動車が損保会社などから請ける救援内容は「約8割がタイヤやバッテリーのトラブル」(藤野社長)で、ユーザーからも素早く交換して車両を引き取りたいとの要望が多いという。

半面、小規模な整備工場などでは在庫に限りがあり、入庫後に商品を取り寄せる例も多く時間と手間がかかる。こうした背景から、近隣の整備工場やディーラーに加え、新たにオートバックス店舗への入庫を選択肢として提案する。在庫が豊富な用品店でスムーズに交換・修理することで、ユーザーの利便性向上につなげる狙い。

オートバックスは、来店契機の創出による用品販売の底上げを見込む。昨年8月以降、拠点選定を兼ねた先行導入を進めており、すでに入庫実績も積み上がっているという。

九州地区では、敷地やピットに余裕のあるオートバックス店舗の有効活用策として、今後は提携事業者へのピットの開放なども視野に入れる。提携他社も店舗設備を共同使用可能とすることで、地域全体での入庫率改善に役立てる狙いだ。

フレーム修復などの高度な作業が可能な店舗には限りがあるため、車両の程度に応じて入庫車両を提携先に振り向けるなど、各社の強みを生かして整備の品質や納期の改善につなげる。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞1月21掲載