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2021年1月15日

20年の乗用車販売、電動車比率36% 軽も初めて3割超える

2020年の乗用車(軽自動車を含む)に占めるハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)などの電動車の販売比率は36・2%となり、前年より1・0㌽上昇した。登録車は38・3%と前年より2・0㌽下回ったものの、軽が6・8㌽増の32・1%と大幅に伸ばした。

軽の電動車比率が3割を超えるのは暦年実績で初めて。軽は簡易型のマイルドハイブリッドシステムの採用車が増え、電動化比率を押し上げた。

電動車は動力源に電気を使う車両で、モーターとエンジンを利用するHVとプラグインハイブリッド車(PHV)、モーターのみのEV、水素で発電してモーターを駆動する燃料電池車(FCV)の4車種がある。

軽の電動車はHVのみとなる。日本自動車販売協会連合会(自販連)の燃料別販売台数と、全国軽自動車協会連合会(全軽自協)の車名別HV内訳台数を基に本紙が集計した。

電動車の販売台数は前年比8・9%減の137万7641台となり、新型コロナウイルスの感染拡大による需要減で過去最高を更新した前年実績を下回った。

登録車は同16・5%減の95万381台となり、電動車比率は4割を割り込んだ。電動車の96・8%を占めるHVをはじめPHV、EVは2桁減となったが、トヨタ自動車が新型「MIRAI(ミライ)」を投入したことでFCVは2桁増となった。

EVではホンダの「ホンダe」、PHVではトヨタの「RAV4PHV」などの新型車が登場したが、いずれも販売台数が限定的で押し上げ効果は小さかった。

ブランド別では、マイルドHVの「スカイアクティブX」搭載車を増やしたマツダを除き、全乗用車メーカーがマイナスとなった。輸入車はHV、PHV、EV、FCVで各ブランドが新型車を相次ぎ投入し消費者の選択肢が増えたことで前年の2倍以上の水準となった。

軽は同14・4%増の42万7260台となり、コロナ禍で全需が落ち込む中で台数を伸ばした。マイルドHVを新たに設定した日産自動車「ルークス」と三菱自動車「eKスペース」が純増となった。

軽販売トップのダイハツと3位のホンダがHVの設定がなく、両社の動向が今後の電動車比率向上のカギを握ることになりそうだ。

12月単月の電動車販売は前年同月比22・5%増の11万7127台だった。電動車比率は3・6㌽上がり37・2%。PHVは三菱自の「エクリプスクロスPHEV」、EVはホンダe、FCVはミライなどの投入効果で台数を伸ばした。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞1月12日掲載