登録車と軽自動車を合わせた2020年の新車販売台数は、前年比11・5%減の459万8615台となり、4年ぶりに500万台を割り込んだ。新型コロナウイルス感染拡大の影響で4~9月実績が落ち込み、リーマンショックの影響が大きかった09年を下回った。

一方、トヨタが登録車市場で過去最高となるシェアとなり、レクサスとの合算で初の50%超えを記録。新型車投入や5月スタートの全店舗全車種販売などが功を奏した格好だ。

新車販売台数が460万台を下回るのは421万台にまで減少した11年以来9年ぶり。ブランド別では全ブランドが前年実績を割り込んだ。1~3月は19年10月の消費税増税の影響などでマイナスが続き、4月以降はコロナ禍による営業活動、新車供給の停滞が響いた。

ブランド別では、トップのトヨタが最も落ち込みが小さく同6・0%減。スズキは9・4%減にとどめ、8年連続2位だったホンダを抜き2位に浮上した。このほか、三菱ふそう、UDトラックスが1桁減だったものの、このほか9ブランドは2桁減となった。

日本自動車販売協会連合会(自販連、加藤和夫会長)が5日発表した20年の登録車販売台数は同12・3%減の288万527台にとどまり、3年連続で前年実績を割り込んだ。

300万台を下回るのは11年以来。暦年の台数としては1968年の統計開始以降で下から5番目の低水準だった。

日刊自動車新聞の調べによると、トヨタの登録車市場におけるシェアは49・4%となり、過去最高だった。レクサスを含めたシェアは51・1%と初めて登録車市場で半数を超えた。

「ヤリス」や「ハリアー」「ヤリスクロス」など新型車がけん引したほか、全車種併売によって「アルファード」などの販売が拡大した。

全国軽自動車協会連合会(全軽自協、堀井仁会長)が5日発表した軽販売は、同10・1%減の171万8088台と2年連続のマイナスだった。コロナ禍によって4~6月に受注が落ち込んだほか、メーカーの工場が稼働停止したことも響いた。

ブランド別では、ダイハツが6年連続で軽総台数の首位を守った。一方、軽乗用車は、スズキが6年ぶりにダイハツを抜き、トップに立った。

12月の新車販売台数は、登録車と軽自動車の合算で、同10・2%増の37万9896台と10月以降、3カ月連続で前年同月を上回った。

ただ足元では、新型コロナの感染拡大の影響で11月下旬ころからショールームへの来場数や受注のペースが減速しているとの声も出始めている。自販連では今後について「年度末に向けて見通しにくい状況」としている。