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自動車産業インフォメーション

2021年1月8日

21年の主役は電動車 自動車メーカー各社、続々と新型車投入

2021年の国内新車市場では、自動車メーカー各社が電動車の投入を加速する。政府が2050年のカーボンニュートラル実現に向けて電動車の普及を後押しする中、各社は電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)の新商品を拡充することで消費者の選択肢が広がりそうだ。

足元では新型コロナウイルスの影響による低迷から回復傾向を示しており、21年は需要回復のけん引役として電動車に期待がかかる。

政府は次世代電動車を対象とした購入支援事業において、再生可能エネルギーの利用や充放電設備を同時に購入した場合、EVやプラグインハイブリッド車(PHV)の補助額を現行の2倍に引き上げる。

また、来年5月1日からのエコカー減税(自動車重量税)の見直しではEVやPHVは引き続き免税となり、HVに関しても燃費基準が切り替わるものの減税対象車の割合は現状と同程度となる。

政府が電動車シフトを打ち出す中、21年の新車市場ではEVの存在感が増しそうだ。「リーフ」で国内のEV販売をリードしてきた日産自動車は、満を持して新型EV「アリア」を年央に投入する。

発売の約1年前に先行発表したアリアは、経営再建中の日産にとってブランド再興を担うモデル。それだけに日産陣営の期待も高い。

マツダは「MX―30」のEVモデルを1月に販売開始する。同社初となるEVは当初、リース販売を検討していたが、消費者の反響もあって一般販売する。

トヨタは年末に2人乗り小型EV「C+pod(シーポッド)」の自治体や法人向け限定販売を開始、10月末に発売したホンダの「ホンダe」も含め、一気にEVのプレーヤーが増えることになる。

乗用車販売の4割近くを占めるHVも新型車の投入が控えている。トヨタはHV専用のコンパクトカー「アクア」を約10年ぶりに全面改良する計画だ。

モデルサイクルが長期化しているアクアは、全店舗全車種販売に移行したことで全チャンネル扱いとなった「ヤリス(旧ヴィッツ)」にお株を奪われていた格好だが、新型車はホイールベースを延長して室内空間を広げ、ヤリスと差別化を図る。

ホンダも主力SUV「ヴェゼル」を約7年ぶりに新型へ切り替える。激戦区のSUV市場ではトヨタが新型コンパクトSUV「カローラクロス」を夏にも投入する計画で、「ライズ」「ヤリスクロス」「C―HR」「RAV4」「ハリアー」とSUVラインアップを拡充し攻勢を強める狙いだ。いずれの車種もHVを設定するとみられる。

軽自動車の電動車は、エンジンが主体となる簡易型のマイルドHVが現在の主流となっている。日産と三菱自動車は軽のEVを共同開発する方針を示すが投入時期はまだ明らかにしていない。

政府が掲げる30年代半ばまでに新車販売の乗用車をEVやHVなどの電動車のみとする方針や30年度の燃費基準達成に向けて、軽メーカーも電動車の開発を急ぐ。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞12月28日掲載