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2021年1月1日

新年(2021年)のご挨拶  日本自動車会議所 内山田 竹志会長

新年(2021年)のご挨拶
一般社団法人 日本自動車会議所
会長 内山田 竹志

新年あけましておめでとうございます。
旧年中は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

昨年は、新型コロナウイルス感染拡大による様々な困難に見舞われた1年となりました。こうした状況の中、日夜最前線で対応しておられる医師や看護師をはじめとするエッセンシャルワーカーの皆さま、政府・自治体の皆さま、そして社会のライフラインである自動車の役割を果たすべく、国民の社会や暮らしを支え続けておられる自動車関連業界の皆さまに、あらためて敬意を表するとともに、心から深く感謝申し上げます。
一方、本年は、当会議所が1946(昭和21)年の創立から75周年の節目を迎える年でもあります。終戦直後から、「自動車にかかわる生産・販売・運輸・サービスなど自動車関連各分野の健全で調和ある発展」を図るため、より良いクルマ社会の実現に向けた活動を展開してまいりました。会員の皆さまをはじめ、支えていただきました自動車業界の皆さまに心から御礼申し上げます。

ここ数年「100年に一度の大変革期」にあると言われてきた自動車業界を取り巻く環境も、ウィズコロナ・ポストコロナによる「新たな社会」への対応も必要となる中で、さらに変革のスピードが増していると感じられます。私どもは、75周年を一つの契機として、会員の皆さまによる「自助」を基盤にしながら、会議所の持つ総合団体としての「つなげる」機能を一層強固とし、より時代にふさわしい自動車業界の「共助」の形を築いていくとともに、幅広い関係の方々へ強力に「公助」を働きかける力を高めてまいりたいとの思いを新たにしております。そのためにも、自動車業界の結束強化の姿を示しつつ、より効率的な体制・組織運営の実現などを図ることが必要であると考えており、今後具体的なご提案を会員の皆さまにお諮りしてまいりますので、ご理解の程何卒よろしくお願い申し上げます。

日本経済復興に向けては、政府・与党より、「公助」であるさまざまな経済支援をいただいております。昨年末に決定いたしました「令和3年度税制改正大綱」では、取得時にかかる環境性能割の軽減措置が延長されることになりました。また、エコカー減税につきましても2年の延長に加え、対象となる車種が現行と同程度の規模で維持されることになりました。これらの措置により新車市場が活性化する一助になるものと期待しております。さらに、昨年12月に決定いたしました追加経済対策では、サポカー補助金の期間が延長され、安全・安心なクルマのさらなる普及が見込まれます。関係者の皆さまのご尽力に、あらためて感謝申し上げます。
しかしながら、自動車ユーザーとともに、私どもが長年にわたり要望し続けている「自動車関係諸税の負担軽減・簡素化」の実現には至っておりません。また、全就業人口の約1割、全製造業の製造品出荷額の約2割を占める自動車産業はすそ野が広く、経済波及効果には大変大きなものがあります。日本経済復興のためにも、ユーザーの税負担の軽減と、それによる自動車市場活性化は不可欠です。私どもは、「ユーザーがクルマを購入しやすい環境」=「一層のユーザーの負担軽減・簡素化」の実現を目指して、引き続き一丸となった活動を続けてまいる所存です。

今般の大綱では、「検討事項」として、「自動車関係諸税については、(中略)その課税のあり方について、中長期的な視点に立って検討を行う」という方針が引き続き継承されております。ただし、「『2050年カーボンニュートラル』目標の実現」や「インフラの維持管理や機能強化」などへの対応も新たに求められております。特に、菅政権が掲げる2050年カーボンニュートラルの実現は国際公約であり、わが国を挙げて取り組んでいかなければならない大変重要な課題です。自動車業界を挙げて全力でチャレンジしてまいりますが、カーボンニュートラルには、エネルギー生成から車両の生産・廃棄までの一連の流れの中で総合的にCO2削減に取り組む必要があります。私どもは、新たなモビリティー社会に向けて、負担軽減・簡素化を軸に中長期的な自動車税制のあり方に加え、グリーン社会実現についても政府・与党の皆さまと議論を重ねてまいりたいと考えております。

当会議所も深くかかわる「自動車損害賠償保障制度を考える会」については、引き続き精力的に世論喚起や陳情活動に取り組んだ結果、自賠責保険料積立金の一般会計からの繰り戻しが増額のうえ4年連続で実現いたしました。加えて、令和2年度第3次補正予算案でも8.38億円が繰り戻され、補正予算による繰り戻しも2年連続で実現し、交通事故被害者の救済事業の充実が図られております。しかし、約6,000億円にものぼる本積立金の早期返済にはまだ道のりは遠いのが現実であり、今後とも関係の方々からの変わらぬご支援ご協力を何卒よろしくお願い申し上げます。

昨年は新型コロナウイルス感染拡大のため、交通安全のイベントなどの活動が思うように行うことができず、事業展開が難しい1年でした。しかしながら、Facebook やTwitterなどを開始し、新しいコミュニケーションにもトライしております。
また、理事会・総会をはじめ、全国専務理事会、永年勤続者表彰式などをいち早くオンライン開催いたしました。今後も感染拡大の動向などを見極めながら、「組織運営」「税制」「交通安全」「保険」「クルマ好き拡大」などの重点事業に取り組むとともに、新たな課題「カーボンニュートラル」についても、会員をはじめとする関係団体・企業・関係省庁などとの情報共有や連携強化に努めてまいりたいと考えております。

当会議所も、設立当初の初心に立ち返りさまざまな取り組みにチャレンジしてまいりますので、引き続き倍旧のご支援・ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。最後になりましたが、この1年の皆さまのますますのご繁栄とご活躍をお祈り申し上げ、年頭のご挨拶とさせていただきます。

以上

「新年のご挨拶」ニュースリリース版はこちらから

 

公表日 2021年1月1日
カテゴリー 会議所ニュース
主催者

日本自動車会議所