2020年12月25日
全国初の遠隔型自動運転システム 福井で移動サービス試験
福井県永平寺町は、22日から全国初となる遠隔型自動運転システムで運行状況を監視する無人自動運転カートの移動サービス「ZEN drive」の試験運行を開始した。
自転車歩行者専用道の「永平寺参ロード」約2㌔㍍区間を自動運転機能付きの電動カート3台が同時に走る。ドライバー不足解消や過疎地域の公共交通としての事業継続を目指す。
電動カートはヤマハ発動機製で産業技術総合研究所(産総研)が自動運転システムを組み込んだ。システムは人や障害物を検知・判断して減速、停止し、すれ違いや待機なども自動で行う。
最高時速12㌔㍍で走行する。運行管理は同町の第三セクターで業務委託先のまちづくりZENコネクト(山田秀幸代表取締役、福井県永平寺町)が行う。
同社の職員1人が離れた場所で運行状況を監視し、3台の無人自動運転車両を運行する。試験運行では安全対策で車内の後部座席に保安要員が乗車する。保安要員は地元の大学生や町民などを採用する。非常時には運行をストップし、有人で対応する。必要に応じて監視員と通話が可能だ。
運行期間は25日までの3日間で、来年3月に一般道との交差部を含む約6㌔㍍の区間に広げて運行を再開する。利用料金は大人100円、中学生以下50円。
永平寺町では2016年から自動運転の実証実験事業を進めてきた。河合永充町長は「今回の取り組みもMaaS(サービスとしてのモビリティ)の一つとして(オンデマンド交通の)『近助タクシー』などと結び付けていきたい」と話した。来年3月末までに自動運転「レベル3」の運行体制とする方針だ。
カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
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対象者 | 一般,自動車業界 |
日刊自動車新聞12月22日掲載