2020年12月21日
EV条件付きで最大80万円補助 経産省と環境省、新支援事業
経済産業省と環境省が連携し、電気自動車(EV)など次世代電動車の新たな購入支援事業に乗り出す。政府が15日夕に開いた臨時閣議で決定した2020年度の第3次補正予算に盛り込んだ。
家庭や事業所の電力調達を100%再生可能エネルギーに切り替えることを条件に、現行の国の補助制度に比べてEVで倍額となる最大80万円を支援する。
一方、EVと合わせ充放電設備や外部給電器を導入すれば、EVで最大60万円を受け取れる。次世代電動車への大幅な支援拡大により、政府が目指す50年の温室効果ガス実質ゼロ化の実現に弾みをつける。
環境省は「再エネ電力と電気自動車や燃料電池車等を活用したゼロカーボンライフ・ワークスタイル先行モデル事業」として、3次補正に80億円を計上した。
環境省が本格的なEVの購入支援を行うのは珍しい試み。臨時閣議後に会見した小泉進次郎環境相は「今までとは違う次元に踏み込んだEV支援を行う」との意欲を表明。
脱炭素化に必須なEVなど次世代電動車と、再エネの普及を一気に進めていく方針を示した。この制度の利用には電力契約を完全な再エネ由来のものに切り替えた証明やアンケートなど調査への協力も条件となる。
経産省では「災害時にも活用可能なクリーンエネルギー自動車導入事業費補助金」として3次補正に37億円を計上。脱炭素化と合わせ、政府が力を入れている防災や減災への対応力向上を狙いに、次世代電動車を蓄電池として利用できる環境整備を加速させる。
車両本体に加え、充放電設備や外部給電器の導入が要件となり、EVでは国の現行の補助金に比べ20万円増の最大60万円が助成される。
プラグインハイブリッド車(PHV)は現行制度の補助額が最大20万円だが、再エネセットでは最大40万円、充放電設備の組み合わせは最大30万円となる。
燃料電池車(FCV)は現行制度でも最大225万円と補助額が大きいため、「プラス数十万円を加える方向で調整している」(環境省)という。しかし、補助額はユーザーの購入意欲にも影響を与えることから「なるべく早い段階で明らかにしたい」(経産省)考えだ。
また、どちらの制度でも充放電設備や外部給電器を導入する場合は別途、現行の「クリーンエネルギー自動車(CEV)導入事業費補助金」による支援も受けられる。
機器と工事費を合わせ、最大115万円の補助額となっており、環境省によると「再エネとセットのEV支援と組み合わせれば、最大195万円の支援を受けることも可能」という。
政府は3次補正を来年1月に召集される通常国会に提出し、早期の成立を目指す。現行のCEV補助金は来年2月末に申請を締め切る見通しだが、新事業がこれまでに立ち上がれば事実上、現行のCEV補助金と2つの新制度の3つの制度からユーザーが選べるようになる。
この場合は2つの新制度の要件を満たせないユーザーは、現行CEV補助金の範囲内で支援を受けることも可能だ。
EVやPHV、FCVの国内年間販売は4万台程度だが、小泉環境相は「この4分の1の1万台の購入支援を想定しており、かなりの規模になる」と環境省の事業に自信を見せる。
経産省との連携強化も図りつつ、国内市場で1%に満たない次世代電動車の本格的な普及が始まるきっかけにもしたい考えだ。
カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
---|---|
対象者 | 自動車業界 |
日刊自動車新聞12月17日掲載