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2020年12月11日

ヤマト、次世代モビリティ公開 集配で活用加速

ヤマト運輸は、海神センター(千葉県船橋市)で、EC商品などのラストワンマイル配送手段として用いる次世代集配モビリティを公開した。

同車両は、ドイツのスタートアップ企業であるRYTLE(ライトル)が開発したもの。ヤマト運輸は同車両をまず試験導入し、将来的な多様な雇用機会の創出や内燃機関型自動車からの切り替えによる二酸化炭素排出量削減につなげる。

次世代モビリティのベースは三輪の電動自転車で、ライトルの担当者が来日した際に、築地市場を走るターレから着想を得て開発したもの。車両の全長は270㌢㍍、全幅が120㌢㍍で、3、4時間のフル充電で最大7時間程度の走行が可能だとしている。

最大積載量は120㌔㌘で、現在活用しているけん引式荷台付き電動自転車よりも20~30個ほど多く運ぶことができる。

車体後方部の荷物ボックスは着脱が可能で、配送センターで仕分けした荷物をボックスに積み込み、トラックで各営業所へ届ける。これにより、従来は営業所ごとに行っていた仕分け作業をまとめることが可能で、効率化に寄与する。

車両の時速は最速24㌔㍍だが、安全面を考慮して速度制限を設ける。車体はサドルの高さやサイドミラーなど、今後も日本仕様に改良を加えていくとしている。

EC事業部の齊藤泰裕部長は「ミュンヘンやコペンハーゲンなど欧州では都市部で自動車の流入を防ぎ、今回のような次世代モビリティを活用した配達が行われている。当社としても国内で先んじてこうした環境対応に取り組んでいきたい」とした。

加えて「場所によっては既に自動車を減らしているところもある。飛び地のような地域では自動車が必要になるが、全体としての自動車の数は徐々に減っていくのではないかと考えている」と、今後のトラックの運用方針を語った。

同車両は千葉県市川市の一部エリアに導入し、実際に集荷、配達を行う。今回の実証実験を基に各種規制に適合するための改良を行い、今後は日本全国への導入を目指す。

同時に配達エリア単位での事前仕分けによる輸送工程の短縮や、遊休スペースを利用した新たな集配オペレーションについても検討していく。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞12月7日掲載