2020年12月2日
葬儀車両にも新常態の波 祭壇を内蔵、搬送車と共用
葬儀用車両にもコロナ禍での「新しい生活様式」など時代を反映したミニバンの改造車が登場している。
11月24~26日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催された葬儀・葬祭関連の展示会「第6回エンディング産業展」に出展した光岡自動車(光岡章夫社長、富山市)は、霊きゅう車に簡易的な供養が行える祭壇をセットした新しいコンセプトの葬儀車両を出品した。
トヨタ自動車「グランエース」をベースとした新型霊きゅう車「グランエースエボリューション」は、車両室内の右半面は霊きゅう車として棺台を装備し、左半面は祭壇を設置して明確に機能と使い勝手を分けた。後部左側にはミニ祭壇と骨壷収納を装備する。
身体が不自由な年配の参列者が葬儀場まで行かなくとも、亡くなった人の住居となったケアハウスなどに直接出向いて、車両後方のドアを開けてその場で簡易的な供養が行える。コロナ禍での「三密」回避にもなる。華やかなラッピングの外装、大理石調の内装などを採用している。
カワキタ(河村賢整社長、富山市)が出品したのは、トヨタ「アルファード」をベースとした出棺兼用搬送車両「メモリア」。
近年は家族葬など質素な葬儀を選ぶケースが増え、見送りの搬送時も霊きゅう車ではなく病院から自宅までの搬送などに使用される搬送車を用いて質素に行われるケースも見られるという。
メモリアは霊きゅう車と搬送車の中間に位置づけられ、外観に特別な改造はないが、内装は霊きゅう車の室内と同じような装飾を施し、搬送車と差別化を図っている。
また、製造面ではレーザー加工機を導入し内製化によるコストダウンを図り、標準改造費128万円(消費税別)での提供を可能とした。
カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
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対象者 | 自動車業界 |
日刊自動車新聞11月28日掲載