2020年11月26日
東京海上日動火災 シニア人材を適材適所で配置
東京海上日動火災保険は、社内のシニア人材活用プログラムを見直す。各部署で必要とするスキルやノウハウを提示してもらい、これまで培った経験や知識を新たな環境で生かしたいシニア人材をマッチングする仕組みを導入する。
2021年4月から運用を開始する。定年後の再雇用では直前まで所属していた部署で勤務するのがほとんどで、希望者には別部署などへの配置転換を行うケースもあったが、一部ではミスマッチもあった。
適材適所の人材配置を目指し、シニア人材の経験や知識を十分に生かせる環境づくりを進めて社内の活性化につなげる。
制度見直しの狙いは、シニア人材の役割を明確化し、生産性向上につなげること。各部署はそれぞれで必要とするシニア人材のスキルなどを提示することにした。10月から募集を始めており、11月時点で約20件の募集があった。
具体例では、ディーラー営業部門からディーラーの法人向け営業を強化する狙いで、法人営業の豊富なノウハウやスキルを持ったシニア人材の要望があった。
制度見直しに合わせて行った社内アンケートでは、シニア社員から多くの配属先を用意してほしいとの意見が挙がったという。ポストの増設に加えて、支店など派遣先でシニア社員に求める役割を具体的に明示するなど、マッチング情報の発信方法も改善する。
同社が社内展開するシニア人材活用プログラムの名称は「シニアお役に立ちたい」。60歳の定年後もシニア社員として最長5年間勤務できる。転勤を伴うグローバル職と勤務地を限定するエリア職を対象に、約400人がシニア人材として活躍している。
これまでは、所属していた部署で再雇用するほか、自身の知見を新たな環境で生かしたいとする希望者には配置転換を実施。シニア人材と現役社員との交流を通じて、業務ノウハウなどの伝承や社内の活性化にもつなげてきた。
ただ一方で、「従来の制度では一部、能力を発揮できないケースも見受けられていた」(人事企画部キャリアデザイン室の並木宏道部長)ことなどの課題もあった。
カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
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対象者 | 自動車業界 |
日刊自動車新聞11月19日掲載