2020年11月12日
自動車メーカー各社 通期見通し、上方修正相次ぐ
日系自動車メーカー各社の業績に薄日が差し始めた。6日、トヨタ自動車やホンダ、いすゞ自動車が2021年3月期業績見通しをそろって上方修正した。4日にはスバルも予想を上方修正している。
けん引役は世界に先駆けて景気が回復した中国や収益源の北米だ。トヨタは新型車効果やインセンティブ(販売奨励金)の抑制で北米の7~9月が営業増益に転じた。
ホンダも米国で二輪・四輪車販売が回復しつつあるほか、中国を含むアジアの通期販売台数見通しを引き上げ220万5千台とした。いすゞは旺盛な中国の建機需要を受け、産業用エンジンの出荷台数を上方修正した。
ただ、新型コロナウイルスの感染再拡大など懸念材料もある。トヨタの近健太執行役員は「実績もまだ半分が終わったばかり。これからロックダウン(都市封鎖)など新型コロナの影響を注視していきたい」と話す。
ホンダの倉石誠司副社長も「今後の感染状況や市場動向は不透明だ。特に欧州での感染の再拡大についてはよくウォッチしなければいけない」と指摘する。新型車の供給を急ぎつつ、在庫が膨らまないよう世界の需要動向に神経をとがらせる〝両面作戦〟が当面続きそうだ。
カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
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対象者 | 自動車業界 |
日刊自動車新聞11月7日掲載