2020年11月11日
ヴァレオ、感染防止ニーズに商機 コロナ禍受け提案強化
ヴァレオジャパン(アリ・オードバディ社長、東京都渋谷区)は、コロナ禍で高まる感染防止ニーズに対応する技術の提案を強化する。
ウイルスの除去フィルターや、車内で健康状態を管理するシステムなどの受注拡大を見込む。コロナ禍を契機とした価値観の変化を商機と捉え、事業拡大につなげる。
5日に都内の本社で開いた技術説明会で、武内稔執行役員が「CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)への対応に向けて開発していた技術の一部がコロナ禍で引き合いが強くなった」と述べ、感染防止のニーズに応える技術の提案や開発を加速する考えを示した。
代表的な技術の一つが、ウイルス除去フィルターだ。同社は車内に浮遊するウイルスを95%以上除去できるフィルターを開発。専用のスマートフォンアプリを組み合わせ、乗車前にウイルスを除去できるシステムの開発も進めており、感染防止ニーズの拡大に備える。
車内での健康管理は、サーモグラフィーカメラなどを活用し、体温や心拍数、代謝などを検知して指数化する技術を提案する。
生体状態まで検知する高度なドライバーモニタリングシステムは、自動運転などの実用化にもかかわるため、従来から開発が進む領域だが、コロナ禍でさらにニーズが拡大するとみる。
このほか、宅配ニーズの拡大も商機と捉える。同社はドライバー不足解消のために荷物の受け渡しまで無人で行える宅配用自動運転モビリティを開発してきたが、コロナ禍による非接触ニーズの高まりを受けて提案を強化する考えだ。
カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
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対象者 | 自動車業界 |
日刊自動車新聞11月7日掲載