国土交通省は23日、自動車メーカーが自主的にリコール実施済車両に貼り付けていた「統一的なリコールステッカー」を11月に廃止するとメーカー各社から報告があったと発表した。同制度はユーザーが改善措置の実施状況を認知しやすくするよう1972年から続けられてきた。

近年はメーカーのホームページなどでも容易に確認できるようになるなど、ユーザーの利便性が損なわれないと判断したとみられる。ディーラーなどでの作業負担の軽減にもつなげる狙い。

10月末までに国交省に届け出があったリコールでも、11月以降に実際の措置を行えばステッカーは貼り付けないとしている。

ステッカーはリコール作業を実施した証の一つとして、ドアストライカー付近などに貼り付けられてきた。近年は確認方法が多様化しているほか、今後は無線通信を利用したソフトウエア更新など入庫を伴わない改善措置も増えると見込まれる。次代のリコールを見据え、自動車メーカーが判断し、国交省に報告した。

一方、法令で定められている実施済み車両に対するペイントなどによる識別方法は、今後も継続する。