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2020年10月26日

環境相「ニッサンパビリオン」視察 EV購入補助金の拡充に意欲

小泉進次郎環境相は21日、日産自動車の情報発信拠点「ニッサンパビリオン」(横浜市西区)を視察した。来年発売予定の新型クロスオーバー電気自動車(EV)「アリア」に試乗したほか、内田誠社長兼最高経営責任者(CEO)ら役員と最新のEV開発や普及状況などについて意見交換を行った。

現状、EV購入に対する日本の補助金が、欧州主要国と比べて低い水準にあることを踏まえ、「日本が2倍、3倍にしても欧州にはかなわないということを政府としてしっかり受け止めなければいけない。日本政府も支援が必要だ」と述べ、EV購入補助金の拡充に意欲を示した。

環境省は、新型コロナウイルスにより落ち込んだ経済の復興と気候変動対策を同時に進めていくことを狙う。脱炭素社会の実現には、日本の二酸化炭素(CO2)排出量の約2割を占めるとされる運輸部門での排出削減が欠かせない。

こうした中で、EVは走行中のCO2排出量ゼロであるほか、再生可能エネルギーを蓄電池に貯めこむ電力の調整役や災害時の走る蓄電池として活躍でき、「スマートコミュニティーの中の不可欠なピース」(小泉環境相)と重要視する。

日産は「リーフ」に続き来年にはアリアを投入し、EVのラインアップを拡充する計画。また、災害時にリーフを派遣する連携協定締結地域を広げており、年度内には100件超えを目標に掲げている。地域課題の解決に役立てる社会インフラとしてのEV活用を加速する。

ニッサンパビリオンを視察した小泉環境相は、EVの普及を後押しするため、日本政府が一丸となった支援策の展開が必要との認識を示した。

中でも、EV購入補助金については「フランスは1台当たり130万円、ドイツは110万円の支援をする一方、日本は40万円」とし、「欧州が購入補助金を手厚くしたことでガソリン車の売り上げが下がり、EVは1・5倍ぐらい伸びる」と分析した。

今後、主にEV購入補助金のスキームを所管する経済産業省とも協力しながら、日本政府全体でEV普及の支援策をつくる構え。

アリアを試乗し、「1回乗ると今までのEVのイメージが変わるなと改めて思った」との感想を口にした。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞10月22日掲載