2020年10月23日
トラックメーカー各社 主力車種へ〝つながる機能〟続々搭載
車載通信機を搭載し車外とつながるコネクテッドカーの普及がトラック市場で広がっている。三菱ふそうトラック・バスは、小型トラック「キャンター」の大幅改良を機に通信機能を標準装備化した。同社の国内のトラック販売の約半数を占める主力車に通信機能を搭載することで、コネクテッドカーの普及を一気に加速させる。
日野自動車やいすゞ自動車では、稼働状況に応じたファイナンスサービスや、架装部分のサポートなど通信機能を活用した新たなサービスを模索する。従来の運行管理にとどまらず、運送事業者の稼働を支える機能が充実することで〝つながるトラック〟はさらに広がりそうだ。
三菱ふそうは、2017年の大型トラック「スーパーグレート」を皮切りに、大型バス「エアロクイーン/エアロエース」、中型トラック「ファイター」と、テレマティクスサービス「トラックコネクト」採用車を拡大してきた。今回、キャンターに導入したことで市販する新車トラックのすべてがコネクテッドカーとなる。
トラックコネクトでは、車両運行管理や燃費把握をはじめ、車両状態の遠隔診断で不具合発生時に素早く対応し、車両の稼働時間最大化に貢献する。
ダイムラー・インディア・コマーシャル・ビークル社では、インド市場専用ブランド「バーラト・ベンツ」にトラックコネクトを導入するなど、ダイムラーグループ内でもコネクテッド機能の共有化を進めている。
いすゞは19年から通信機能を活用した整備サービス「プレイズム」を全車種で展開している。現在、車載通信端末を搭載したいすゞ車は約23万台に達する。
同社ではコネクテッド技術による新サービスの実証実験を昨年9月からスタートさせ、日常(運行前)点検の作業負担を軽減するアプリの導入や、冷凍車や塵芥車などの架装部分の稼働状況の確認、RFIDを活用した荷室の個数確認や伝票作成など、運送事業者の負担軽減につながるサービスの実用化を目指している。
日野もテレマティクスサービス「ヒノコネクト」を大型から小型トラックまで導入済み。20年7月にはドライバーの運転状況をレポート化するなど機能を向上させた。
また、10月にはグループ会社と共同で、毎月定額のメンテナンス料で事前に検知した部位への予防整備を受けることができるファイナンスサービスの実証実験を開始。リアルタイムの走行状況をリース料金に反映するダイナミックプライシングや、稼働状況をリースの与信審査に使うサービスなども検討している。
カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
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対象者 | 自動車業界 |
日刊自動車新聞10月20日掲載