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自動車産業インフォメーション

2020年10月22日

国交省、自然災害へ自動車分野の対策検討 21年度概算要求

国土交通省は、近年多発している自然災害に対し、自動車分野での防災や被災者支援の対策を検討する。

2021年度の予算編成に向けた概算要求で、新たに「移動困難者等の避難支援及び緊急物資輸送の円滑化」で1500万円、「避難所等における電気自動車(EV)等を活用した電力供給支援」に2500万円、「避難中の車内被災の防止等を目的とした車載通信装置の国際標準化」に3千万円と、合わせて7千万円を計上した。

それぞれの取り組みで、多発化、激甚化する自然災害に対し、被災地で円滑な輸送力を確保できる体制整備や自動車の新技術を活用するなどした備えを万全にする。自然災害時に移動困難者の避難所への迅速な搬送支援、EVの給電機能を活用した停電地域でのスムーズな電力供給などに役立てる。

移動困難者の移送支援については、バス・タクシーを活用した移動困難者の避難支援やトラックによる緊急物資輸送が円滑にできるよう自動車運送事業者や地方自治体に働きかけを行い、連携の促進を図る。

連携に当たっては過去の災害時の対応などを検証し、優良事例を取りまとめる。さらに水害発生時の車両の高台移転など、自動車運送事業者が講ずべき対策について指針を策定し、事業者へ周知する。

また、EVなどを活用した電力供給支援については、車両を派遣可能なディーラーと派遣を依頼したい自治体をマッチングするためのITツールを活用した仕組みづくりを検討。モデル地区で実証事業を行う。

EVなどの電源を用いる場合に周波数の揺らぎなどにより電気製品に悪影響を及ぼす恐れがあることから、一定の電源品質を確保するための標準化やガイドライン策定のための調査、検討も実施する。

さらに車内被災の防止を目的とした車載通信装置の国際標準化については、危険・避難情報の配信などを行う車載通信装置の基準づくりや国際標準化など制度面の環境整備に取り組む。コネクテッドカーの国際基準策定に向けた議論がスタートする可能性があるため、日本として国際的な議論を主導することを目的とした調査を行う。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞10月19日掲載