2020年10月21日
電動車ワンペダル、普及する? 負担軽減の一方で違和感も
電動車で徐々に普及している「ワンペダル」に対する自動車メーカーの考え方が分かれている。ワンペダルは、ブレーキペダルを使用することなく減速・停止し、ペダル踏み替えによる負担を軽減できる一方、アクセルペダルの細かい操作に慣れるまでは違和感を持つユーザーもいる。
電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)のラインアップが拡充していく中で、各社が電動車の最適な乗り味を模索している。
日本の自動車メーカーでワンペダルをいち早く採用したのは日産自動車。「ノートeパワー」の「eパワードライブ」を発展させた「eペダル」を2018年に「リーフ」に採用した。
eペダルは、回生ブレーキに加え、通常の油圧ブレーキを併用することにより、最大0・2の減速Gで停止可能となり、ペダルの踏み替えを約9割減らすことができる。
日産に続いてホンダも10月30日に発売する「ホンダe」でワンペダル機能「シングルペダルコントロール」を採用した。日産同様に油圧ブレーキと併用するとともに、回生ブレーキの減速Gをパドルシフトで選択できる。
最大減速Gは0・18Gと日産のリーフよりも弱めに設定した。ホンダeの開発担当者は「シングルペダルコントロールはEVならではの価値の一つ」としてユーザーに訴求する考えだ。
現在はワンペダル機能を採用していないトヨタ自動車で走行制御系を担当する技術者は、「(部門内で)採用するべきか議論が盛んな話題の一つ」と明かす。
ただ、現時点で採用に踏み切っていないのは「ハイブリッド車(HV)で回生の違和感に悩まされてきた経験がある」(同)ためだ。
最新のHVの回生協調ブレーキは制御の工夫やアクチュエーターの改良で自然に減速するが、当初のHVシステムは「カックンブレーキ」などと協調制御の違和感の解消を指摘されることも多かっただけに、ワンペダルの採用はやや慎重な模様だ。
マツダも1月に発売する「MX―30」のEVモデルではワンペダル機能を取り入れないとみられる。
カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
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対象者 | 一般,自動車業界 |
日刊自動車新聞10月15日掲載