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自動車産業インフォメーション

2020年10月20日

20年度上期の乗用車販売 電動車比率37%に上昇

2020年度上期(4~9月)の登録車と軽自動車を合わせた乗用車販売に占めるハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)などの電動車の販売比率は、前年同期より1・7㌽上がり37・0%となった。

電動車の販売台数はコロナ禍で需要そのものが落ち込み、前年同期比19・1%減の61万8362台となったものの、軽自動車のHVや輸入車のHVとEVが新型車の投入効果で大幅に台数を伸ばし、電動車比率を押し上げた。一方で、HV販売で台数を伸ばしてきた登録車の電動車比率は4割を切った。

日本自動車販売協会連合会(自販連、加藤和夫会長)がまとめたHVとEV、プラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池車(FCV)の燃料別販売台数と、全国軽自動車協会連合会(全軽自協、堀井仁会長)が発表したHV内訳台数を基に20年度上期の電動車台数を本紙が集計した。

登録車の電動車販売台数は、同27・3%減の41万5274台だった、最も販売ボリュームが多いHVは同26・5%減の40万5091台だった。

電動車に占めるHV構成比は97・5%と依然高水準にあるが、乗用車全体に占めるHV構成比は37・5%となり、前年同期より1・3㌽下がった。ガソリン車の比率は2・1㌽上昇した。

登録車では、マツダが次世代エンジン「スカイアクティブX」採用車の投入でHVが純増したが、同社を除く国内メーカーの全ブランドが前年割れとなった。

輸入車はマイルドHV取り扱い車種が増加し、同81・3%増と大幅に台数を伸ばした。EVやPHV、FCVについても各ブランドが落ち込む中で輸入車は前年超えの水準となった。

軽の電動車はHVのみとなり、台数は同5・2%増の20万3088台だった。軽乗用市場もコロナ影響で2桁減となったが、電動車は日産自動車の新型「ルークス」がマイルドHVを採用したことで純増となり、台数を大幅に押し上げた。軽乗用販売に占める電動車比率は前年同期より8・5㌽上がり34・4%となった。

9月単月の電動車販売は、登録車と軽を合わせ前年同月比4・3%減の14万8953台だった。乗用車販売に占める電動車比率は38・1%と、前年同月より4・2㌽増えた。

電動車販売を巡っては、欧州で環境規制の厳格化や政府の補助金の後押しによってEVやPHVの販売台数が飛躍的に伸びている。国内は電動車比率が4割弱と世界的に見ても高水準となっているが、販売の伸びが鈍化し、踊り場に差し掛かっている。

下期以降、ホンダやマツダ、トヨタ自動車のEV販売参入で電動車比率がどこまで高まるか注目される。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞10月13日掲載