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2020年10月19日

経産省とNEDO、水素閣僚会議を開催 日本の役割評価

経済産業省と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は14日、水素社会の実現に向けた国際協力を話し合う「水素閣僚会議」を開催した。

13カ国の閣僚を含む23の国や地域、機関が出席。昨年の会議で策定した行動指針「グローバルアクションアジェンダ(GAA)」に基づき、直近1年間の各国の進捗状況をまとめた「GAAプログレスレポート」を発出した。

民間セッションにはトヨタ自動車の内山田竹志会長も参加し、燃料電池車(FCV)で先行する同社の取り組みなどを紹介した。また、来年の次回開催からは国際エネルギー機関(IEA)との連携強化も決定し、IEAが毎年、水素関連の報告書を公表することも報告された。

日本からは梶山弘志経済産業相が出席。この1年で日本の後を追うように、水素戦略やロードマップを公表する国が増加していることなどを例に挙げ、「水素が脱炭素化に不可欠なエネルギーであるという共通認識が世界で形成されてきた」と分析した。

IEAのファティ・ビロル事務局長も「日本政府や水素閣僚会議が、世界的な取り組みを後押ししている」と、日本の役割について評価した。

また、水素社会の実現に向けてモビリティが果たすウェートが高まっていることも再確認した。梶山経産相は「世界のFCVの販売台数は2019年に前年比で倍増し、普及台数は累計2万5千台を突破した」と報告。

ビロル事務局長も「新型コロナの影響があるにもかかわらず、20年の市場も依然として堅調だ」と、FCVへのさらなる期待を示した。

高まるモビリティ分野への注目に対し、自動車産業も新たな手を打っている。トヨタの内山田会長はトヨタグループを挙げた燃料電池の取り組みに加え、新たな組織「水素バリューチェーン推進協議会」を12月に立ち上げることを紹介。

「金融機関とも連携して資金供与の仕組みづくりも推進する」など、これまでよりも多角的なアプローチも進め「早期の水素社会の実現を目指す」考えを表明した。また、モビリティ分野のセッションでは岩谷産業がFCVの普及に欠かせない水素充填ステーション事業の最新状況を紹介した。

水素閣僚会議は日本の主導で2018年から開催している。今回は新型コロナウイルス感染症の影響により、オンライン開催になったため「特別イベント」に位置付けた。このため、来年開催の次回会議が第3回となる予定だ。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞10月16日掲載