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自動車産業インフォメーション

2020年10月12日

経産省と国交省、税制改正 エコカー減税の延長要望

経済産業省と国土交通省では2021年度税制改正に向け、来春に期限を迎える「エコカー減税」をはじめとする車体課税の軽減措置の延長や見直しを要望した。

経産省では「新型コロナウイルス感染症の影響により、日本経済を支える自動車産業が厳しい状況に置かれている」と指摘。軽減税制の延長などにより、取得時にかかるユーザー負担の軽減を実現し、自動車産業の底上げにつなげる狙い。

また、両省とも、構造変化が加速するとみられる自動車産業の将来を見据え、次代における関係諸税の課税のあり方についても検討していく方針を打ち出し、議論を本格化させる構えだ。

環境負荷の少ない車両に対し、自動車重量税を軽減しているエコカー減税は21年4月末で期限を迎える。現行制度は電気自動車(EV)をはじめとするゼロエミッション車や20年度燃費基準を超過達成しているモデルなどに、免税か50%ないし25%の税額を引き下げている。

国交省では国内市場における環境対応車のさらなる普及につなげるためにも、エコカー減税措置の延長が欠かせないと訴えている。

さらに、「環境性能割」(自動車税・軽自動車税)についても、臨時的軽減措置の延長を含めた見直しを要望した。臨時的軽減措置は環境対応のレベルに応じてかかる税率から、それぞれ1%軽減するもの。

消費税増税後の需要の反動減を抑えるために1年間限定で取り入れられていたが、すでに新型コロナ対策から来年3月末までの延長が決まっている。

国交省では来春以降の現行措置の維持ならびに、各税率の適用範囲の見直しを求めた。経産省ではこのほど策定された30年度燃費基準を取り入れた見直しが必要との考え方を示している。

また、両省はこれまでの与党税制改正大綱に示された将来の自動車を取り巻く環境変化を見据えた課税のあり方についての検討も進める。

経産省はCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)やMaaS(サービスとしてのモビリティ)の拡大で大きく変容するとみられる次代の自動車社会像を見据えた課税のあり方を議論していく。

国交省も高齢者の免許返納の加速や労働人口の減少など社会的問題を踏まえ、中長期視点で課税の方向性を探っていく考えだ。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞10月8日掲載