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2020年9月9日

中古車店の販売ナンバーワン表示 公取協、統一ルールづくり

自動車公正取引協議会(公取協、神子柴寿昭会長)は、中古車販売店が「販売台数ナンバーワン」などと表現する場合の基準づくりを始める。2020年度事業として中古車販売の最上級表示についての検討をはじめ、統計データなどを活用した新たなルールづくりに着手する。

これまで販売大手各社が独自調査を根拠に乱立していたナンバーワンの表示を一掃し、客観性を担保できる統一基準の確立に乗り出す。

中古車業界はこれまで、自動車登録情報をもとにした小売り台数などは抽出されておらず、販売台数の正確な統計が存在しなかった。そのため中古車販売大手は民間調査会社の調べに基づき、それぞれが販売台数が国内最多であることを宣伝してきた。

こうした状況を疑問視する声は以前から業界内外から出ており、小売り台数や販売会社ごとの正確な統計データの整備を求める声は少なくなかった。

公取協が20年度事業計画に盛り込んだのは、客観性・正確性に欠ける表示への改善指導と最上級表示のあり方の検討の2点。すでに独自調査によってナンバーワンを表示していた大手販売会社は7月に表現を取り下げたため、今後は新たな表記ルールづくりへの動きが加速しそうだ。

ただ現時点で販売店ごとの正確な登録台数を把握することは難しく、統計データを抽出する場合の新たな仕組みづくりが欠かせない。さらに中古車オークション(AA)などを活用した業者間の名義変更が頻繁に発生するなど、新車とは異なる中古車特有の流通形態も新たな基準の確立を難しくしている。

公取協では今後、国の自動車登録情報などを活用した新たな統計データの抽出が可能かも含めて検討を続け、中古車業界全体の透明性を高めていく考えだ。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞9月2日掲載