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2020年8月28日

運送事業者の取り組み〝見える化〟 国交省が職場認証制度

国土交通省は、より良い職場環境を実現した自動車運送事業者を認証する「運転者職場環境良好度認証制度(働きやすい職場認証制度)」を創設し、9月16日に申請受付をスタートする。

労働環境の改善に力を入れているトラック・バス・タクシー事業者の取り組みを〝見える化〟してイメージアップにつなげ、採用拡大を後押しする狙い。申請は12月15日まで受け付け、来年1月以降に審査結果を順次通知し、同5月に全体の結果を公表する予定だ。

今回はベースとなる「1つ星」の認証取得が可能だが、国交省では今後、来年度以降の「2つ星」「3つ星」導入に向けた制度設計も進める計画としている。

新制度は「法令遵守等」「労働時間・休日」「心身の健康」「安心・安定」「多様な人材の確保・育成」の5項目において、基本的な取組要件を満たせば1つ星認証を取得できる。認証を得た事業者は専用のステッカーが使用でき、求人書類などで職場環境の良さをアピールすることも可能だ。

公共職業安定所(ハローワーク)の求人票に、取得事業者が分かるように記載することも関係省庁と調整中という。運送事業者は慢性的な運転者不足に悩まされている。認証制度の新設でドライバーに対する仕事のイメージを改善して、これまで以上に幅広い人材確保に弾みをつける。

認証取得にかかる費用(予定)は審査料が1申請当たり5万円(消費税別)。インターネットによる電子申請であれば同3万円(同)に割り引く。また、審査に通過すれば登録料として同6万円(同)を設定する予定。認証期間は2年間で、これ以降は再度、審査が必要になるという。

国交省では安全面を評価する自動車運送事業者の認証制度を有しているが、労働者の職場環境にスポットを当てた制度の導入は初めて。人材難にあえぐ運送業界の支援のため、実現を急いできた。新制度の活用でこうした課題解決につなげるほか、各事業者のさらなる労働環境の改善も後押ししていく考えだ。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞8月25日掲載