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2020年8月26日

モータースポーツに熱気戻る 延期の国内レース相次ぎ開幕

新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期となっていた自動車レースが続々と始動し、モータースポーツに熱気が戻りつつある。7月にはスーパーGTが3カ月遅れで開幕。今月29、30日にはスーパーフォーミュラが5カ月遅れで開幕する。

レース関連グッズを出品したチャリティーオークションでは2千万円以上が集まるなど、盛り上がりはサーキットの内外で高まっている。GTカーとフォーミュラカーそれぞれのトップカテゴリを皮切りに、ファン待望のシーズンがようやく始まりそうだ。

スーパーフォーミュラの2020年シリーズは、コロナ禍の影響で大幅な日程変更を余儀なくされた。第1戦と最終第7戦に設定されていた鈴鹿サーキットでのレースは第5、6戦の連日開催となり、各ラウンドでは予選と決勝が同日開催となった。参戦する各チームでは長いブランクに加えて、日程変更に伴うレース戦略の見直しも課題となっている。

こうした異例の情勢下で、検討を急がれているのが観客の受け入れ体制だ。入場客からの収入は大会およびサーキットの収益の柱となるだけに、各社は対応を模索している。

先行して開幕したスーパーGTでは第1~4戦を無観客開催とし、10月の第5戦からの観客受け入れを予定する。また、スーパーフォーミュラ第1戦が行われるツインリンクもてぎ(栃木県茂木町)は観客受け入れに踏み切る。

席数を通常より減らし、パドックへの立ち入りやピットウォークを中止するなど、徹底した感染症対策を講じつつ、現地で観戦する喜びをファンに届ける方針だ。

主催者やサーキット運営者のこうした熱意に応えて、モータースポーツファンからの新型コロナ対策支援の動きも広がっている。

今月1、2日には、スーパーGTを主管するGTアソシエイション(GTA、坂東正明代表取締役、東京都品川区)と今季から同シリーズスポンサーを務めるBHオークション(武井真司代表取締役、東京都千代田区)が、オンラインでチャリティーオークションを初開催。

選手らが出品した236ロット全てが成約し、落札総額は2720万円に上った。オークションの模様は動画配信サイト「ユーチューブ」でライブ配信され、3千人を超えるユーザーが視聴するなど高い関心を集めた。落札金は全額が日本財団の「新型コロナウイルス緊急支援募金」に寄付される。

企画の成功を受けてGTAの坂東代表は「モータースポーツの認知向上やグローバル化を目指して十数年やってきたが『日本のモータースポーツも大したものだな』と感銘を受けた。(こうした取り組みを)今後も大事に育てたい」と語った。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞8月21日掲載