2020年8月24日
お盆期間中の高速通行量33%減 コロナ影響、10㌔渋滞も大幅減
都市高速を除く、高速道路4社がまとめたお盆期間中10日間の交通状況(速報値)によると、全国の主要40区間における1日当たりの平均交通量が前年同期比33%減となる3万2千台にとどまった。
10㌔㍍以上の渋滞が発生した回数も同66%減の149回へ大幅に減少し、前年同期に52回の渋滞が発生していた中京圏ではゼロとなった。新型コロナウイルス感染症が再び拡大傾向にあることから、帰省やレジャーを控える動きが広がったことが影響したとみられる。
秋の行楽シーズンを前に感染拡大に歯止めがかからなければ、今後の経済回復のペースにも影響しそうだ。
お盆期間における交通状況は東日本高速道路と中日本高速道路、西日本高速道路、本州四国連絡高速道路が17日までに公表した。2020年は7日の金曜日から16日の日曜日までを集計対象とし、同じ曜日配列の19年8月9~18日の実績と比較した。
今年は全国の主要区間すべてで、1日当たりの平均交通量が前年実績を下回った。関越自動車道の「水上~湯沢」や東海北陸自動車道の「飛騨清美~白川郷」のインターチェンジ区間では前年実績の半分以下に落ち込むなど、観光地に近いエリアほど交通量が大きく減少しているようだ。
また、30㌔㍍以上の渋滞が全国で6回のみと、前年の6分の1以下になったことも絶対的な交通量が落ちたことを裏付けている。
一方、普段と異なる傾向は首都圏でも表れた。首都高速道路が公表した同期間の1日当たりの平均利用台数(速報値)は同10・3%減の81万6596台だった。前年よりも下回ったものの、落ち幅は全国に比べて小さかった。
感染者の増加が目立つ東京都では政府の観光振興策「GoTo(ゴートゥー)トラベル」の対象から除外されたほか、お盆を前に感染予防のため帰省などの自粛も呼びかけられた。このため、近距離のレジャーや買い物を選択した都心部のユーザーが多かったことも一因とみられる。
全国での渋滞状況を見ると8割以上が首都圏となっていることも、こうした傾向を裏付けている。
過度な渋滞は経済損失を招くものの、交通量が減ったままでは景気回復が遠のく。観光産業だけでなく、自動車の流通や整備、燃料の販売といった関連事業の業績にも関わることから、多くのユーザーが安心して移動できる環境の早期整備が重要になりそうだ。
カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
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対象者 | 一般,自動車業界 |
日刊自動車新聞8月19日掲載