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2020年8月20日

JARWA「メリケン工房」 車体整備事業者に徐々に広がる

日本自動車車体補修協会(JARWA、吉野一代表理事)が展開する樹脂パーツ補修サービス「メリケン工房」を導入する車体整備事業者が増えている。2019年9月にサービスを開始し、現在、関東、近畿、中部、北海道に合計8拠点を展開。今年9月には九州にも開設する予定だ。7月は3社が実習を行い、技術を習得した。

メリケン工房は、米ポリバンス社が開発した窒素ガスシールド溶接機を使用した樹脂パーツの修復技術。2日間の研修を終えた会員に、JARWAが樹脂補修の業務を発注し、サービスネットワークを広げていく仕組みとなっている。

今回、研修を受けたのはエーミングサービス丸イ(佐藤広崇社長、岐阜県岐阜市)、初石鈑金(熊本匡史社長、千葉県流山市)、中垣塗料(中垣勉社長、北海道帯広市)で、窒素ガスシールド溶接機を使用した補修技術を座学と実技で学んだ。

エーミングサービス丸イからは、同講習で初となる女性が参加した。一級整備士として整備工場に勤務していたが独立し、エーミング(機能調整)を手掛ける工場を夫婦で立ち上げた。

今回、樹脂パーツの補修もメニューに加えようと同講習会に参加。「樹脂溶接の業務であれば指先が汚れず爪も伸ばせる。作業中に汗でメイクが落ちることもないため、働きながらオシャレを楽しむこともできそう」と女性目線でメリットを話す。

JARWAはメリケン工房の技術について、「補修箇所の強度の確保や見た目などを高品質に補修でき、収益性の向上が図れる」とアピールしている。交換と比較して費用を抑えられ、パーツを探す時間の削減、顧客からの依頼に迅速に対応できる点などが特徴だ。

軽量化を目的として車両へのプラスチックパーツの採用は増えており、補修ニーズは高まることが予想される。新型コロナウイルスの影響で受講ペースは想定よりも落ちているものの、担当者は「小規模事業者持続化補助金の支給に合わせ、10月頃から増えるのではないか」話し、対応地域を順次拡大していく方針だ。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞8月13日掲載