2020年8月18日
整備学校の22年就職戦線 解決の兆し見えぬメカニック不足
2022年3月卒業見込みの自動車大学校生・整備専門学校生の就職戦線が今秋にスタートする。若年人口の減少や若者の車離れが深刻化する中で、メカニックの人手不足は解決の兆しが見えない。
このため、採用側の新車ディーラーはメカニックの新規採用意欲は旺盛だ。ただ、学生はコロナ禍による休校やオンライン授業などで当初予定の授業カリキュラムが変更されるなど、自動車整備士資格の取得に向けたスケジュールに余裕がない中で就職活動への準備に取り掛かることになる。
自動車大学校・整備専門学校の就職活動は、地域によって若干、開始時期にずれがある。西日本は9、10月からスタートするのに対し、東日本では年明け以降に本格化する。1年生にとっては今春の入学からそれほど間もない時期にも関わらず、就職活動への対応を余儀なくされることになる。
今年は、コロナ禍で多くの学校が4、5月に休校を強いられた。失われた授業時間を埋め合わせするため、多くの学校は例年と比べて夏休み期間を7~10日間程度短縮した。課題やレポート提出も多い中で「通常以上の努力を求めているが、至上命題の自動車整備士資格取得のためにはやむを得ないのでは」と関東地区のある整備専門学校関係者は話す。
一方、採用側の新車ディーラーもコロナ禍で経営環境は厳しさを増している。「営業や間接部門は採用を絞る可能性はあるかもしれないが、人手不足のメカニックはいくら補充しても足りることはない」(中国地区の新車ディーラー)のが実態だ。それだけに、各社とも例年通りのメカニック採用を計画する。
今後、学生は企業研究、学校訪問、採用テストなど就職活動に向けた準備に着手することが急務。通常の授業や課外活動と並行して行うため、学生にとっての負担は大きい。精神的なケアなども含めて学校側のサポートも従来に増して重要となりそうだ。
カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
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対象者 | 大学・専門学校,自動車業界 |
日刊自動車新聞8月3日掲載