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2020年7月31日

キャンピングカー白書2020 現役世代の新たなライフスタイル

日本RV協会(降旗貴史会長、横浜市港北区)は、キャンピングカー市場の最新の動向を調査し、2年に一度公表している「キャンピングカー白書2020」にまとめた。

白書によると、19年の国内キャンピングカー保有台数は、前回の白書にまとめた17年のデータに比べて約12%増の11万9400台となり、純増傾向を保った。年間の国内出荷台数も調査開始以来最多の6445台となり、需要の拡大や生産体制の強化が好調な推移につながっているという。

新車と中古車を合わせた販売総額も、対17年比で約23%増の526億2577万円と過去最高を記録した。

とりわけ中古車のうち8ナンバーとして届け出されたキャンピングカー登録車両の売上高は138億8795万円で、104億990万円だった17年から3割以上の伸びを見せた。新車生産台数が増え、中古市場への車両流入も活発となるなど、マーケットが成熟しつつある実態が浮かび上がった格好だ。

キャンピングカー保有者の内訳は、約4割でトップを占める60代に50代、40代が続き、前回と同様の傾向を示したが、職業別では定年退職者の割合が2年前から2・5㌽下がって26・0%となった。

これを受けて同協会は、時間を気にせず旅行できる退職者の長期型・周遊型活動が増加するとしていた従来の見方を修正し、仕事をしながら生活にキャンピングカーを取り入れる現役世代の新しいライフスタイルが生まれつつあるとの考えを示した。

実際に、1回の旅行で過ごす期間は「1週間以上」が1・2㌽下がって10・1%となった一方、「2泊3日」は1・7㌽増の42・7%となっている。

現役の働き手でも、休日の前夜から行動を開始して週末を有効活用できるキャンピングカーならではの利点が、こうした短期型活動の比率増加につながっているのではないかとの見方を示している。

19年は台風などの気象災害が相次ぎ、20年はコロナ禍が猛威を振るう中、一時避難や診療、リモートワークなどの拠点として活用されるキャンピングカーは、注目を集めつつある。

同協会は「キャンピングカーにあまり興味がなかった個人、法人、公共団体からも注目され、その社会的貢献も考えられるようになった」としており、今後も市場成長が見込まれる中、社会貢献やマナー啓発などを通じた地位向上にも力を入れていく方針だ。

調査は2020年2月、同協会会員企業及び「くるま旅クラブ」会員のキャンピングカーユーザーを対象に、ウェブおよび郵送で実施。106社と2821人から回答を得た。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞7月17日掲載