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2020年7月30日

トヨタ 北海道、宮城、大阪、大分の直営5販社を地場に売却

トヨタ自動車は、北海道や宮城県、大阪府、大分県にある直営販社5社を地場の販社に売却する。25日までに各社が発表した。

もともとトヨタの販売網は地場資本が主力で、歴史的経緯から直営で運営していた販社の譲渡を進めていた。トヨタ全車種の併売を契機にこうした動きを加速させ、事業効率化と地域に根ざした経営を目指す。

北海道では札幌トヨペット(沖田俊弥社長、札幌市豊平区)、ネッツトヨタ苫小牧(大島光太郎社長、苫小牧市)をそれぞれトヨタカローラ札幌(池田義典社長、札幌市豊平区)、札幌トヨタ(中島好美社長、札幌市中央区)に売却する。

トヨタカローラ札幌は、同じ商圏の札幌トヨペットをグループに加え、札幌をはじめとする道央圏での存在感を高める。一方、札幌トヨタは、ネッツトヨタ苫小牧をグループ企業とすることにより、苫小牧市など胆振・日高地区の営業基盤を強固にする考えだ。

トヨタカローラ宮城(岡博文社長、仙台市宮城野区)の全株式を取得するのは宮城トヨタグループ(後藤誠社長、同)。

中核会社の宮城トヨタ(後藤誠社長、同)は1946年10月の設立で、県内にトヨタ、レクサスやフォルクスワーゲン店など計23店舗を持つ。同グループは「モビリティを通して宮城県の地域社会発展により一層貢献していく」とのコメントを出した。

大阪トヨタ(小西俊一社長、大阪市福島区)は、大阪府と滋賀県でトヨタ系ディーラーを展開する大阪トヨペット(横山昭一郎社長)グループ(OTG)にレクサス事業を譲渡した上で、久保グループを構成するトヨタ新大阪販売ホールディングスグループ(久保行央社長、TSHG)とトヨタ南海グループ(久保尚平社長、TNG)の傘下に入る。

OTGは近畿で大阪トヨペット、トヨタカローラ大阪、ネッツトヨタ中央大阪、滋賀トヨタ、ネッツトヨタ滋賀の5社を展開する全国屈指の地場販社。

一方、久保グループの2社は大阪南部の泉州で綿織物業を営んでいた「久保惣」をルーツとし、TSHGはトヨタカローラ新大阪、ネッツトヨタ新大阪を、TNGはトヨタカローラ南海、ネッツトヨタ南海を運営している。

大分トヨペット(片岡潔社長、大分県大分市)の株式を10月1日付で取得するのは熊本トヨタホールディングス(與縄義昭社長、熊本市南区)。

事業会社の熊本トヨタ(井原宏社長、同)は1937年7月の設立で、県内に新車14拠点と中古車1拠点、レクサス1拠点の計16拠点を持つ。大分トヨペットを加え「融合と進化」をキーワードに事業を拡大する考えだ。

5社の売却により、残る直営販社は19年春に都内4社を統合して発足させたトヨタモビリティ東京(TM東京、片山守社長)1社になる。

TM東京は直営を維持する方針で、トヨタが進めてきた直営販社の売却は今回で完了することになる。豊田章男社長は、各社のリリースに「地域のかけがえのない毎日やお客さまの幸せに向き合うトヨタ販売店としての発展を祈念します」とメッセージを寄せた。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞7月27日掲載